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43 北部戦線(1)

 アベル率いる聖女騎士団は北部の海岸で異界の門の出現に備えていた。ここは過去から繰り返し大規模な異界からの襲撃が起きており、過去の統計から求められた危険発生確率により、ここに主力を集中すべきとの判断となった。


 王国内で準備できる半数近い勢力が集中していた。アベルはせめて三等分にした方がいいのではないかと、軍上層部に打診したが受け入れられなかった。かわりに最も戦力が充実した北部戦線の担当になった。


 陣としたのはアモラス砦で、ここは平時から異界の門に対する備えが充実しており、聖女も常駐していた。


 「騎士団長、ここから北東数マイル離れたところに異界の門が開く兆候があります」


 部下の報告した方向に目を凝らすと、たしかに海の上に光の束が見えていた。


 「そうだな。海軍の準備は出来ているか?」


 「はい、戦艦ヴィガとワップスが出航するそうです」


 「わかった。それじゃあ聖女の援護するように伝えろ。聖女グレイスリー様も海岸で待機できる体制を」


 「了解」


 ここでの異界の門の出現はパターンがはっきりしているので、事前に幾重にも対応策が用意されていた。しかし、アベルは胸騒ぎだった。もしかすると、間違っているのではないかという感情だった。

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