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 開会が宣言されたが、議論は伯仲することはなかった。あまりにも情報が少なすぎるからだ。国内だけでなく諸外国でも空前絶後の勢いで異界の門が開いたのが三か月前のことだった。その以降、ただでさえ外部からの情報が入ってこないムリージョであったが、輪をかけて情報が入ってこなくなった。中央からの情報も然りだ。断片的であるが入ってきたのが政体の変更、すなわちアベル「皇帝」の誕生だ。


 「議長。確かな情報ですよね、官報の記述は? それ以外に中央からの伝達はないのですよね」


 議員たちからは次々と質問されるが、議長の答えはほぼすべて「判らない」だった。たしかなのは、周辺から出入りする物流や情報はほぼ途絶していることであった。一部の生活必需品が不足する恐れも出ていた。


 「ここで参考人として送致してきたムリージョ女子修道院長、前に出てきてください」


 議長はシモーネを前に出るように促した。彼女は議場の注目を集めていた。顔以外は独特のダボっとした修道女の衣装に覆われていたが、その仕草はかつて聖女の中でも随一の美貌の持ち主のものであった。


 「修道院長、ご苦労である。我々の総意であるが、あなたの弟から何か変わった連絡はなかった聞きたい。姉に対しなにがしらかの知らせはなかったか?」


 議長は相当しかめっ面をしていた。実は何にも分からないのに何かを決める事が出来ないのがもどかしいようだった。とりあえず事態の打開を図りたいためにシモーネを呼び出していた。

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