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20 湯治場(2)

 フランチェスカの身体の主は三度変わったという事だ。シモーネはそう指摘した。


 「姉ちゃん、なんでそんな面倒な事をしたんだ? 他にも方法があるだろう。成り済ますだけなら?」


 「それは、こんなことをした奴に直接聞くしかないだろうけど、想像はつくわ。古い年代記の中によく似た話があったわ。優れた能力と地位を自分のものにするために姿を奪った魔人がいたそうだよ。

 それによると、身体の主が持っていた霊能力や魔力を全て奪い取り、その姿を悪用して最終的には世界の帝王として君臨しようとしたとあるわ。まさにアベルは複数の国を支配する皇帝になったじゃないというのよ。同じではないかしら?」


 そういいながらシモーネはフランチェスカの身体と密着させた。もし知らない者が見たら、恋人が戯れているように見えただろう。シモーネはフランチェスカの身体を愛撫しているかのようであった。


 「ね、姉ちゃん。こんなことを・・・しちゃだめ!」


 フランチェスカはドキドキしていた。すごくドキドキしていた。本当は姉弟なのに・・・今は身体は他人でも同じ女同士がこんなことをしたのでは、破廉恥ではないかと。


 「うーん、良い気持ちよね。でも、勘違いしないで頂戴。こうして、あなたの身体に残された記憶を読み取っているのよ。この身体に刻まれた記憶をね。読み取るためにはこうして心と身体を一体化しなくちゃいけないのよ」


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