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19 湯治場(1)

 修道院の近くに湯治場があった。ここは地域住民にとって大切な場所であり、ありとあらゆる事に利用されていた。シモーネとアベルの姉弟も幼いころから使っていた。


 行政官で今後の対応を協議する、総会の招集が三日後に決定した夜、二人の女が利用していた。シモーネとフランチェスカだ。


 「あなたと一緒に此処に入るのって何年振りかしら?」


 シモーネは嬉しそうに話すが、フランチェスカは恥ずかしかった。女の裸なんて僅かな結婚生活の期間、妻のを見た事あったが、一番恥ずかしいのは女体化いや女の身体に魂を入れられた自分の姿を見る事だ。


 「そうねえ・・・30年ぶりかな? 姉ちゃん」


 心は中年男のフランチェスカはぼそっと言った。好き好んで今の姿になった事を信じたくなかった。それよりも元の身体に早く戻りたかった。


 「はずかしいの? 聖女の身体よ! 顔は幼いけど強く美しい聖女だね、この身体!」


 そういってシモーネはフランチェスカに抱きついてきた。そのとき、フランチェスカの後頭部の髪に間をじっと見つめていた。


 「なにするんだよ」


 「ちょっと、女の子なんだから今は、その言葉使いなしよ! さっき古い文献を調べたらこんな記述があったのよ。高等な竜族が使う魂移しの術は、魂を抜かれる時に金の針が残っていると。あなたの後頭部に二本の金の針があるから、二度抜かれているね」

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