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 修道服に着替えたフランチェスカはシモーネと一緒に村長と話をし始めた。ここではシモーネが「聞いた話」をするということになっていた。とりあえずフランチェスカは記憶喪失であるという設定であった。


 「村長、彼女ですが名前はフランチェスカのようですが、我が国最高の聖女とは同名の他人のようです。副聖女のひとりだったようですが、激しい戦いの後に記憶を失って彷徨ってここまできたようです」


 シモーネのいう事に村長は疑いの目を向けていた。


 「彷徨っていたと? 三ヶ月も? 本当になにも覚えていないと?」


 「そのようです。こちらのフランチェスカさんがいうには、気が付いたのはヴァーレ農場の飼葉置き場だったそうで、三ヶ月の間の記憶もその前の記憶もないようです。どうも、王都付近で竜族に襲われて全ての記憶をなくしたようですが、なぜか此処にたどり着いたというのです」


 意識を取り戻してからの経緯も、三ヶ月の間記憶がないというのも事実であるが、隠していたことといえばアベルの記憶があることだ。どうしてアベルの魂をフランチェスカに移したのかわからない以上、ある程度信用できるとしても村長に明かすことは出来なかった。


 「そうですか? いろいろ知りたいところですが、記憶がないというのなら仕方ないですな」


 そう村長が言っていた時、ドアをたたく音がした。それは修道院があるムリージョ行政区政府からの官報が配達されたという知らせであった。

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