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96話 魔法の授業

「レットさん十発中八発、流石ですね」

俺たちAクラスは魔法の授業を受けている。

「お疲れレット流石だね」

俺よりも先に的に向かって魔法の撃っていた。

他のクラスメイト達は初めての魔法のため的に当てれて一発、的に当てられない人が殆どだ。

そんな中レットは最初の二発は外したがその後の八発は連続で当てた。

「私はカミラさんに練習を付き合って貰ったから他の人達よりもうまいのは当然だよ。それより次はデニスさんの番だよね」

レットが言うように次は俺が魔法を撃つ番だ。

「任せて完璧に当ててくる」

俺は必勝法があるため自信満々だ。

「デニスさんの自信ってカミラさんに魔法を使ってもらうってことだよね。なんか卑怯だよね」

レットは冷えた目で俺のことを見てくる。

魔法を使うとレットは頻繁に俺のことをその目で見てくる。

まあ仕方ないと諦めるしかないか

「ではデニスさんお願いします」

先生に言われて俺は定位置に立つ。

俺は小さな声で俺の側にいるカミラに「お願い」と言い手を的に向けた。

「はーデニスちゃんは自分でやる気ないんだね。で、どのくらいの威力でやるの」

「もちろん全力で」

カミラは約束通り魔法を使ってくれる。

たとえカミラでも前世は聖女だったためそこまで魔法は得意じゃないはずだ。

なら手を抜かれるよりも全力でやってもらった方がいいはず。

俺の手に魔力が貯まる感覚がある。

今回の授業では火の玉を的に向かって撃つという課題だ。

火の玉は初級魔法の中で一番攻撃力がある魔法だ。

火の玉程度ではあの的を破壊することが出来ない。

そのため一つの的に何度も魔法を当てるという内容だ。

俺の手から離れた魔法はまっすぐに的に向かって飛んでいく。

俺の予想では魔法が的に当たるとそのまま火の玉は消えるはずだ。

しかしカミラが放った火の玉は消えることはなく的に当たった瞬間に爆発をした。

的は爆発してそのまま破壊された。

この場にいた生徒全員が唖然としている。

もちろん俺も唖然としている。

「えっとデニスさん一体何をしたんですか」

一番最初に先生が聞いてきた。

「えっと火の玉の魔法を使いまいた」

とりあえずこの魔法は俺が使ったことになっているため答える。

本当は俺がカミラに一体何をしたのか聞きたい。

「と、言うことはデニスさんは初級魔法であの的を破壊したということですか、て、天才だ」

先生が言うとクラスメイト達全員が騒ぎ出し大変なことになった。


「カミラ一体何をした」

俺は教室に戻る途中カミラと話していた。

「何をしたって何が」

カミラはわざとらしくとぼける。

「何がってさっきの魔法に決まっている」

あのあとクラス中が騒ぎになり大変なことになった。

クラス全員が俺を質問攻めにされたのだ。

こんなにクラスメイト達に囲まれたのもこの学園に編入して来た時以来だ。

「そんなのデニスちゃんが全力でって言ったから全力で放っただけだよ」

「カミラってもしかして魔法が得意?」

俺はカミラが魔法を使っているところを見たことがない。

「私が人間だった頃は魔法師団隊長と魔法の対決をして勝ったり負けたりだったかな」

「な、魔法師団って」

魔法師団は騎士団の中で魔法を専門で使う人たちだ。

その隊長と魔法でいい勝負をするって相当な実力がないと出来ないはず。

「デニスちゃんが全力って言ったから全力でやっただけだよ」

カミラは含みを持たせたような笑顔で俺の方を見る。

おそらくこの結果がわかっていてわざとやったのだろう。

「こんなに目立ってこれからどうすればいいんだ」

こんだけ目立ってしまったら学園中に注目されて大変なことになってしまう。

なるべく目立ちたくないと思っている俺にはかなりきついことだ。

「まあ自分のせいなんだから頑張れ、デニスちゃん」

カミラの笑顔が今日は悪魔のように感じた。


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