95話 初めての魔法
「うわ、デニスちゃんいきなり叫んでどうしたの」
カミラとレットがいきなり叫んだことでかなり驚いていた。
「さっきレットが言ったことだよ。カミラに魔法を使ってもらうってやつ」
カミラが俺の体や魔力を使うことが出来るのならカミラに魔法を使って貰えば俺が魔法をつかているように見えるじゃないか
そのことをカミラに説明をする。
「デニスちゃんプライドないの」
説明をするとカミラは冷めた目で見てくる。
「プライドでは単位は取れない」
このままでは単位を落としてしまうのだ。
これだけ頑張って練習しても全く習得することが出来ていない。
こうなったら別の方法を考える必要があると思っていたところだ。
「とりあえずカミラ魔法を使うことできる?」
「あーできるけど」
カミラはあまり乗り気ではないようだ。
「よしなら今からしよう」
初めて魔法を使うことができるかもしれないのだ。
諦めていたつもりだったが魔法が使えるかもという期待に胸を躍らせる。
「はいはいまだお菓子作っている途中だから後でね」
俺はテンションが上がってお菓子作りのことを忘れていた。
出来上がるお菓子も楽しみだ。
「よしカミラ魔法を使おう早く」
お菓子を食べ終わり俺たちは広場にきた。
お菓子はとても美味しいかった。
レットは気に入り「カミラさん私の家で雇います」と言い。
エマちゃんは「さすがデニスさん私のお嫁さん、また作って」と言っていた。
レットのお願いをカミラは拒否をしていたが諦められないみたいだ。
カミラを取られたら俺はただの子供になるので取らないで頂きたい。
あとエマちゃんはまだ俺のことを嫁にすることを諦めてなかったのか。
「なら今からするけど本当にいいんだね」
カミラが最後の確認をすると俺は頷く。
少しすると体の中の何かが手に集まっているのを感じる。
今まで他の人が言っていたことが分かった。
この力を操る必要があるのなら今まで出来なかったわけだ。
俺は静かに感動している。
すると少しすると俺の手から水が出た。
「おー」
意味のない言葉を言ってしまう。
他の人にとって簡単にできることなのだろうが俺にとっては前世から出来なかったことが出来た瞬間だ。
手からでは水をまじまじと見ている。
おそらく俺はかなり笑顔になっているはずだ。
「デニスちゃん初めての魔法が出来て嬉しいのは分かるけど、今の感覚残っている内にやってみたら」
エマちゃんはそう言うとカミラによって魔法を解除された。
ここに来る途中お菓子作りの時のようにカミラに魔法を使って貰ったら感覚をつかめて発動できるようになるかも知れないと言われたのだ。
俺はさっきの感覚と同じように魔力を集めるように集中する。
さっきはしっかり魔力が集まる感覚があったのだが今は全く出来ない。
「んーやっぱりダメみたい」
俺は諦める。
「やっぱりデニスちゃんは魔力を使うことが出来ないか」
「そうだね。さっきは魔力が集まる感じがあったんだけど、自分でやったら全く魔力を感じられなかった」
さっきの感覚で出来ると思ったのだが、やっぱり出来なかった。
「まあいいじゃない、だってこれからカミラさんに魔法を使って貰えばいいのだから」
レットに言われて安心する。
これで単位はなんとかなる。
とりあえずしばらくの間悩んでいたことが解決して俺は安心する。
「デニスちゃんにも苦手なものがあったんだね」
魔法の練習に全く付き合っていなかったエマちゃんは驚いている。
「まあこれでも人間だから、苦手な物の一つや二つあるよ」
どちらかと言うと苦手な物は一般の人よりも多いと思っている。
「まあそんなデニスちゃんも可愛いからいいよ。流石私の妹」
エマちゃんはそういうと俺に抱きついてきた。
そういえば抱きつかれるのも久しぶりだな。
エマちゃんの頭を撫でているとカミラに「とりあえず授業の時は私が手伝うけど、ちゃんと出来るようになってね」と言われ俺は「分かりました」と言った。
結果デニスちゃんは魔法を使うことが出来ませんでした。




