82話 新しい仲間
「それで見せたい物って何なの」
俺とカミラがレットの部屋に入りいつも座っている場所に座ると早速話を切り出した。
「んふふーそれはねそれはね」
レットは秘密の物を見せびらかしたい子供のような表情で切り出そうとする。
「そんなことよりレットちゃんの部屋から精霊の気配がするけどレットちゃん精霊と契約した?」
カミラがなんてことないように言う。
「え?精霊!!もしかしてレット精霊と契約したの」
俺は驚きながら聞く。
もしそうだとしたら国中が大騒ぎになる。
「はーあカミラさんには隠せないか」
そういうとレットはポケットの中から小さな動物を出す。
その動物はカミラやソフィアのように人型と言うわけではなく四足歩行でネズミのような生き物だった。
「へーこれがレットが契約した精霊か~かわいいね」
その小動物はポケットから出された途端レットの体を動き回る。
頭の上まで移動するとそこが定位置とばかりに寝転がった。
「そうでしょ。カミラさんやソフィアさんみたいにお話することは出来ないけど私の言葉は理解できるみたいなの」
レットは頭に乗った精霊を手に乗せると頭を撫でる。
精霊は頭を撫でられると心地よい様子だ。
「私も触っていい?」
俺はそういうとレットは頷き俺の手に移動させようとする。
しかしその精霊はレットから離れたくないようでレットの手から移動しようとしない。
「やっぱりデニスさんでもダメか。さっき来た人達の方に移動するように言っても移動しなかったから子供のデニスさんならと思ったけどダメみたいだね」
レットは離れようとしない精霊を撫でながら言う。
「そんなにいろんな人で試したの」
「うんそうだね。ここで働いている大人の人全員は来たかな」
どうやら朝慌てていた大人たちはレットが精霊と契約したことで慌てていたようだ。
「そんなことよりカミラさんにお願いがあって。この子の名前と得意なことを聞いてくれる?」
レットは話を切り上げるとカミラに言う。
「それはいいけどなんで私?その子のことを調べることが出来る精霊はたくさんいると思うけど」
確かにカミラの言う通り調べることに特化した精霊達はたくさんいる。
俺が契約した時に来ていた精霊もそういうタイプの精霊のはずだ。
「そうなんだけど今この国にいるのは調べることが出来る精霊と契約している人は男性だけで、来てもらうには時間がかかるみたいなの。だからカミラさんなら精霊とお話出来ないかなと思って」
レットはお姫様のため男性を部屋にいることが出来ないのだろう。
「そういうことね。ならこの子に聞いてみるね」
そういうとカミラはレットの手の中にいる精霊に顔を近づけると話を始める。
「私の名前はカミラだよ。・・・・・・・そうなんだね。・・・・・・分かった伝えるね。レットちゃんは私の大事なお友達だからよろしくね」
カミラと精霊の話は終わったようだ。
「えっとレットちゃんこの子の名前はソラだって。得意な魔法は風系統らしいよ。ソラ君もレットちゃんと話せなくて困っていたみたいだから丁度良かったんだって」
カミラがそういうとレットは愛おしそうにソラ君の頭を撫でる。
「ソラって言うんだね。これからよろしくね仲良くしようね」
そう言いながら頭を撫でるとソラ君もよろしくとばかりにレットに手を置いた。
こうして俺達にはまた新しい仲間が増えた。
新キャラソラの登場です




