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78話 寂しさとプレゼント

お昼になるとテオ君と食堂に向かうために教室からでる。

ついつい今日もレットが来るのを待っている自分がいた。

「デニスさっきからおかしいな」

食堂に向かっているとテオ君は俺の方を見ながら言う。

「そう?いつも通りだと思うけど」

思い当たる節のない俺は答える。

「さっきから生返事ばかり出し、キョロキョロ何かを探してるみたいで、もしかしてヴァイオレット様がいないからか?」

テオ君にもカミラと同じようなことを言われる。

「別にレットがいないからって寂しいわけではない、これはちょっと・・・なんでもないから早くいくよ」

「あ、ちょっとまてよ」

俺は言い訳を思いつかずテオ君を置いて食堂まで急いだ。


「デニスちゃん今日なんだか変だね」

食堂につき食事をしているとエマちゃんにも同じことを言われた。

「エマちゃんも同じことを言う」

「もってことは他の人にも言われたんだ」

エマちゃんは揶揄うように言う。

「そうなんです。デニスはお昼休みになると誰かを探すように周りを見て、返事も誰か別の人を探しているみたいで」

テオ君は何か含みがあるように話す。

それを聞いたエマちゃんも何が言いたいのか分かったようで「ふーん」とニヤニヤしながら答える。

「やっぱりレットちゃんがいないのが寂しいんだ。デニスちゃん可愛い」

エマちゃんに言われて俺は顔が真っ赤になる。

「別に寂しくなんてないし、カミラにも言ったけど全く寂しくなんてない!」

全く全員なんでレットがいないだけでおれが寂しい思いをしてると勘違いしているのか。

ただちょっとほんのちょっとついついレットがいないか探してしまうだけなのに

「全くデニスちゃんは可愛いな。そうだ、だったら放課後一緒にレットちゃんのプレゼント買いに行く?お姉ちゃんがいいお店教えるよ」

「エマちゃんはどちらかと言うとお姉ちゃんと言うより世話のかかる妹みたいな存在なんだけど」

「なんで!?」

俺の返しを予想していなかったのかエマちゃんから驚きの声が聞こえてくる。

「悔しかったら自分の部屋くらい自分で掃除出来る様になってね」

俺が言うとエマちゃんは何も言い返せなくなったようだ。

この前泊まりに行った時に足の踏み場がない状況だったため今は俺が定期的に部屋の片付けに行っている。

部屋に行くたびに散らかっているものを片付けてソフィアに感謝されるばかりだ。

「うーんでもそうだねせっかくならレットを驚かせたいし何かプレゼントを送るのもいいかもね」

いつも一緒にいるレットにサプライズプレゼントを送る機会なんてなかなかない

この学園に来てから世話になっているレットに感謝の気持ちを送るのにちょうどいいかもしれない。

俺はなんにしようか考えていると俺の顔を見たエマちゃんは「やっぱり可愛い」と言われてしまった。


その日夕食の時間を少し過ぎた頃にレットが帰ってきた。

玄関付近が騒がしくなってきたためもしやと思って見に行くとレットが寮生に囲まれているところだった。

「ヴァイオレット様お誕生日おめでとうございます」

皆が同じようなことを言いながらレットにプレゼントを渡す。

渡している物はどれも一目で高価だとわかる様な宝石のついたぬいぐるみやとても綺麗な花だった。

それを見た俺は途端は自分が準備したものが心配になった。

俺とエマちゃんとカミラの三人で買いに行ったが学園街にあるお店ではどうしても俺の手持ちでは買うことが出来ず結局平民街に行って買った物だ。

皆が渡している物に比べても値段も見た目も貧相な物だ。

俺は自分が用意した物が本当にいいのか不安になりレットに声をかけずに自室に戻った。


デニスちゃんはこんなに幼かったか心配になります。

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