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77話 朝訓練と一人の朝食

レットの誕生日前日になった。

レットに誕生日を聞いてからいろいろなことがあった。

俺の寮の部屋が大きくなったり、テオ君とレットの仲がいいのか悪いのか分からずいつも口喧嘩をしたりしていた。

救いだったのがテオ君には訓練をせずに休むように伝えたおかげでやることと言ったら話をすることだったため何をするか喧嘩にならなかったことだった。


俺は朝起きるといつも通り朝の訓練を始めるために着替える。

こんなに広い部屋が自分の部屋だと慣れておらず驚いてしまう。

そして部屋にあるクローゼットを開けるととても自分の物とは思えないほど可愛らしい服ばかりでさらに驚いてしまう。

おかげで最近の朝は起きてすぐに目が覚めるためそこは助かっていた。

いつかこの生活に慣れ今クローゼットの中にある服を選んでいる自分を考えるとゾッとする。

俺はクローゼットの端においてあるいつもの飾り気のない服に着替えると外へ出ようとする。

「デニスちゃんは今日もこの服なんだね。もっとかわいい服着ればいいのこれとかどう」

カミラはいつも俺より早く起きる。

寝るのも俺より遅いはずなのにちゃんと寝ているか心配になる。

「その服はちょっと恥ずかしい」

カミラが持ってきた服はとても可愛らしいヒラヒラした服だ。

そんな服では装飾が多すぎて訓練がしにくくなるじゃないか。

外に出ていつも訓練をしている広場に行くとテオ君がいた。

とても眠そうにしている。

きちんと休むように言ったのだがなぜかどうしても朝訓練の時間に付き合いたいみたいだ。

「テオ君おはよう。今日も早いね」

先に来ているテオ君に俺は声をかける。

テオ君は俺を見ると「デニスおはよう」とあいさつを返す。

最近のいつもの光景だ。

俺が走り込みや筋トレをしている間もテオ君は何もせずに待つ。

最近のテオ君はしっかり食べてしっかり休んでいるようで顔色がとてもよくなってきた。

そろそろ訓練を初めてもいい頃だろう。

テオ君は待っている間にたまに寝てしまう時もあるけど今日はちゃんと最後まで見ていたいようだ。

「テオ君お待たせ。眠いなら自室で待って入ればいいのに」

テオ君はいつも最後まで俺の訓練姿を見ている。

「そんなことない自分がどんな感じで訓練すればいいのか参考にする必要があるからいつも見てるんだ」

テオ君はどうしても強くなるという意思を感じられる。

「そうだねそろそろ訓練を始めてもいい頃かも」

俺が言うとテオ君は嬉しそうにする。

「やった。やっと訓練をすることが出来る。」

「はいはい今度の休み明けから始めようか」

俺は言いながらテオ君の訓練メニューを考えながら食堂へ向かった。


制服に着替えると食堂に向かう。

最近朝食もレットと食べていたため食堂に入りレットを探す。

しかし今日レットは実家に帰っていて一日居ない。

同じ首都内のいるため今日の夜には帰ってくると言っていたからまた明日会おうと思えば会える。

俺はそそくさと食事を済ませると学園に向かう。

「あれデニスちゃん今日はいつもより早いね」

食事を終えてカミラと合流する。

「うん、今日一人で食べたから」

「あーそっか今日はレットちゃんがいない日だったか。寂しいね」

カミラは今日レットがいないことを思い出したように言う。

「別に寂しくないし」

別にレットがおらず一人通学するくらいで寂しくない

「違うよ。私が寂しいんだよ。誰もデニスちゃんが寂しそうだなんて言ってないよ」

カミラがニヤニヤしながら言う。

俺は自分の発言で恥ずかしくなりカミラの顔を見れなくなった。

「やっぱりデニスちゃんも寂しいんだ」

「うるさい」

そういうと俺は学園に向かって走り出した。



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