76話昼食とお祝い
俺たちは昼食を取るとエマちゃんのもとに向かった。
「あれ今日は初めての人がいるね」
エマちゃんは何も食べずに待っていた。
「うん、この子の名前はテオ君。この前怪我した人だよ」
俺は今日は一緒に食べるテオ君を紹介する。
「エマ様この前はありがとうございました」
テオ君はエマちゃんに頭を下げる。
しかしテオ君に言われてもエマちゃんはなんのことか分からないようだ。
「ほらこの前エマちゃんと一緒に遊び行った時に手を治した人」
俺が説明するとやっとわかったようだ。
「あーあの子ね。あの後大丈夫変なところない?」
エマちゃんはカミラと同じように怪我の様子を聞く。
「はいまだ少し貧血のせいで眩暈がしますが、しばらく安静にしておけば治ると医者に言われています」
テオ君はカミラの時と同じよう症状を言う。
そこでふと気になることが出来た。
「あれ?普通治療したら術後の経過とか確認するんじゃないの」
前世で怪我をした時何度も医者に通った。
確かカミラも同じように自分が見た患者を何度も通っていたはずだ。
「最初はしてたんだけど。症状聞いてもなんでなのか分からなくなってなんでも魔法使っちゃえってなるから専門の医者に丸投げしてるよ」
エマちゃんは何てことないように言う。
「エマちゃんそれでいいの」
俺は呆れながら言う。
テオ君も実際のちゃんとエマちゃんと接したことがなかったためか初めてエマちゃんの性格を聞いて苦笑いをしている。
「いい加減私がいなかった時の話はやめよ。早くご飯を食べないと冷めちゃう」
レットはこの話を終わらせようとばかりに話を変える。
「そうだデニス早く食べないと食べ損ねる」
テオ君も席に座ると食事を始める。
どうやら二人はお腹がすいていたのだろう。
俺たちは食事を始めた。
「そういえばデニスさんのお誕生日は最近だったんだよね」
食事をしていると思い出したようにレットが話を始めた。
「そうだよ。カミラとは最近契約してすぐにこの学園に来たからね」
いろいろあったため忘れていたがまだこの学園に来てあまり日にちが経っていない。
「精霊と契約した時ってどんな感じだった。」
レットは精霊と契約するのことに興味があるようで話出した。
「別に朝起きたらカミラがいたからいつ来たのかも分からなかったかな。そういえばエマちゃんの時はどうだったの」
俺の時は朝起きたらカミラがいたためどのように現れたのか分からない。
エマちゃんは俺が別の場所にいた時に現れたため知っているだろう。
「私もウトウトしていた時に来たからあんまり分からないんだよね」
エマちゃんも覚えていなかったようだ。
そういえば返事も生返事だった気がする。
「急に精霊の話をして一体どうしたの」
レットと知り合ってから精霊の話はあまりしたことがなかった。
そんなレットが急に精霊の話を始めたからには理由があるはずだ。
「うん今度の休みの日が誕生日だからもし精霊が来たらどうしようかと思ってね」
レットが何てことないように言う。
「え?レットって今度の休みが誕生日なの」
そう言えばレットの誕生日は知らなった。
「デニスは知らなかったのか。毎年ちょっとした祭りになっているじゃないか」
テオ君は何をいまさらと言うように言う。
「仕方ない。私はこの街に来たばかり前住んでいた場所ではお祭りなんてやってなかった」
俺たちが住んでいた街では首都から離れていることもあり王族を見るともなく王族の誕生を祝う祭りもなかった。
知らなかったのも仕方ない。
「なら今度の休みはレットちゃんのお誕生日を祝おう」
エマちゃんはいいことを思いついたとばかりに言う。
「いやエマちゃんはいきなり遠征になったりしたらどうするの」
エマちゃんは国内で何かあればすぐに現地に行く必要がある。
それなのに予定を決めていいのだろうか。
「大丈夫大丈夫その時は私抜きでやっていいから」
エマちゃんは何てことないように言うが
「私も一般の方と同様に誕生日の前日は家族で過ごすことになってます。食事はみんなが揃っている時にやりましょう」
レットは珍しく大人のような提案をする。
結果週末みんなが揃っている時にお祝いをすることになった。
久しぶりに前書いた話を読みました。




