71話 朝の訓練と着替え
「じゃあ今日はデニスさんは私の部屋に泊まりに来る日だったね」
俺はその言葉を聞くまで完全に忘れていた。
「別に無理して私を泊める必要ないんじゃないかな。レットも今日の買い物で疲れただろうしまた今度でも」
お姫様の横で寝るなんて絶対俺の気が休まらない。
出来ればゆっくり寝たい。まあカミラと契約してから一度も安心して寝れたことがないのだが
「そんなことない私は今日を楽しみにしていたんだからさあさあ行くよ」
レットは俺の手を取ると走り出した。
「あ、待ってレットちゃん私も行く」
俺とレットが部屋に行こうとした時にエマちゃんが呼び止める。
「今日買った洋服をデニスちゃんに着てもらわないといけないから」
エマちゃんの言葉でレットがハッとなる。
「さすがに私もつかれたからそれはまた今度で」
正直あまりつかれていないのだが買った服を見るとどれもひらひらして物ばかりでどうしても恥ずかしい。
「家ではなかなか見れなかったデニスちゃんの可愛らしい服を今日は見るチャンスだから」
エマちゃんはまだまだ元気のようだ。
今はその元気な姿が憎らしい
「そうですね。デニスさんにはもっと可愛らしい服装を着てもらいたい」
レットもやる気になったようで俺を握る手が強くなる。
これはどうしようもないと悟る。
「お手柔らかにお願いします」
俺は最後の抵抗でお願いをする。
「「もちろん全力でがんばる」
しかし二人は容赦なく俺に買ってきた服を着せるために部屋まで連れて行かれた。
目を覚ますと外が明るくなっていた。
周りを見るとレットとエマちゃんが寝ている。
俺が今着ている服はたくさんヒラヒラのついたワンピースで大きめの髪留めもつけている。
昨日あの後二人は俺を着せ替え人形にするとそのまま眠ってしまったのだ。
「はー結局買ってきた服は全部こんな感じの服だったな」
俺は今着ている服を脱ぐと動きやすい服装に着替える。
正直動きやすい服装があと何着か欲しかったのだが買ってきてしまったのは仕方ないと諦めるしかない。
「デニスちゃんおはよう今日も早いね」
外に出て準備運動をしているとカミラが来た。
カミラはいつも俺の訓練に付き合ってくれる。
「カミラおはよう。カミラも眠いでしょ。いつも私の練習に付き合ってくれなくてもいいのに」
周りのみんなはまだ寝ている時間だ。それなのにいつも俺の訓練に付き合ってくれなくても大丈夫なのだが。
「大丈夫だよ。私はデニスちゃんの保護者だから。何かあったらレイアさんに怒られちゃう」
「別にそんなの気にしなくてもいいのに」
そういいながら俺が走り込みを始めた。
カミラは俺に付き合って走ったり俺の走っているところを見ていたりとバラバラだ。
今日は一緒に走らず俺を見守るようだ。
走り込みと筋トレを終わると俺は一度自分の部屋に向かう。
自分の部屋に制服を置いているため仕方ない。
せっかくだから自分の部屋で着替えるとレットの部屋に向かう。
部屋に入ると二人はまだ寝ていた。
ぐっすりと眠っている二人を起こすのは申し訳ないと思うがこのままでは二人は遅刻をしてしまう。
「ほら二人共起きて早く起きないと遅刻するよ」
俺の言葉だけでは二人は起きない仕方ない俺は二人の体を揺さぶることにした。
レットはまだまだお子様体系のため何も気にならないがエマちゃんはかなり成長が早いようで出るところは出てきている。
俺はエマちゃんの体に触れるのを恥ずかしく思うが仕方ないと体に触れることにした。
「うーんあれデニスちゃんだ。あ、そっか昨日デニスちゃんを着せ替え人形にしたあと寝たんだ。」
「ん-なんでデニスさんがここに」
二人は寝ぼけているようだ。
「ほら早く準備しないと遅刻するよ」
このままでは二人は遅刻をしてしまう。
学園の有名人である二人が遅刻するわけには行かない。
「わ、もうこんな時間早く着替えないと」
デニスちゃんは今の時間に気が付き急いで服を脱ぎだす。
「わ、ちょっと待って私が出るまで待って」
エマちゃんの成長した体を見るのには抵抗があり慌てて俺は部屋から出ようとする。
「デニスちゃんは男の子みたいな行動するね。女の子同士なんだから気にしないよ」
エマちゃんは笑いながら服を脱ぐ。
俺とエマちゃんの行動をカミラは何かを考えるようもに見えて少し心配になる。
いつまでも精神が男のままのデニスちゃんなのでした。




