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68話 魔物対デニス

今俺の前には魔物がいる。

俺が子供と魔物の間に立った時なにかカミラが言っていたが今俺が引けば確実にこの子供の命がない。

俺の精神は大人の騎士のため子供を見捨てることは出来ないし、カミラも怪我人を見つけると見捨てることが出来ない。

特にそれが子供ならなおさらだ。

俺が剣を抜き刃先を魔物に向けると力が湧いてきた。

カミラが俺に魔法をかけたのだろう。

カミラの力を借りるのは久しぶりだ。あの盗賊と戦った時以来だろう。

本当は俺だけの力で戦いたいのだが力が足りないのだから仕方ない。


熊の魔物は前世でも何度も戦ってきた。

この魔物の攻撃は単純だ。腕を振り回すか突進か噛みつきのどれかだ。

前世で何度も戦ってきてなおかつ今の力は前世の時より上のはず。負けるわけがない。

俺は相手の動きを観察する。

熊も相手が体の小さい子供で油断しているようで口からよだれを垂らしながら俺の見ている。


勝負はすぐについた。

熊が突進してくると俺は構えていた剣を熊の目めがけて突く。

後は熊の突進してきた力と俺が剣ついた力が合わさって熊の脳を破壊した。

どんな魔物も脳を破壊されたら動くことが出来ない。

そのまま熊は力なく倒れた。


俺は熊が絶命していることを確認するとすぐにカミラのところに戻った。

前世でも何度もこの熊の魔物と戦ってきた。

その時も何度もこの方法で討伐してきたのだから俺にとって慣れたものだ。

カミラは俺の動きを見ると完全に固まっている。

「カミラしっかりして早くしないとこの子が助からなくなる」

本当はカミラにはこのようなことを言いたくないのだが今は緊急事態だ。

一人の子は完全に息が止まっているがもう一人の子はまだまだ助かる。

しかし今かなりの血を出しておりこのまま流したままにしてしまうとこの子の命も危ない。


俺の言葉にカミラは我に返ったのか生きている子供の様態を見る。

俺は急いでその子を持ち上げるべく近寄ろうとするが

「待ってデニスちゃんその子を持ち上げるんじゃなくて切られた腕を持ってきて」

カミラには何か考えがあるようでその子の様態を見ている。

俺はカミラの指示に従い少し離れた場所にある腕を広いその子のもとに向かった。

「デニスちゃんはその子の腕に手を当てておいて私は倒れている子を担ぐから」

なぜカミラは手を当てるなんて指示を出したのだろう。

それに今の俺はカミラの力で身体能力が上がっている。

倒れている子を担ぐくらい今の俺ではなんでもない。

「その子を担ぐくらい私でもできる」

「いいからデニスちゃんはあの子の傷口に手を当てて」

カミラにはなにか考えがあるようで言われるままに手を当てる。

するとなぜかその子の血が止まった。

その状態を見て心配そうに見ていたその子も驚く。

ここで初めて俺はその子の顔を見た。

その子はこの前俺が剣術の授業で相手をした二人組の一人だった。

もしかしてと思いもう一人の方を見ると倒れていた子は俺が相手をしたもう一人だ。

この子たちは貴族の子供のためこれは大変なことになったなと思いつつカミラとともに城壁まで急いだ。


城壁にたどりつくと俺達の姿を見た門番に駆け寄ってきた。

「おいどうした何があった」

今カミラに抱かれて動かなくなった子と片腕が切り落とされた子とその腕を持った俺の四人組だ。

「森で魔物に襲われたんです。魔物は討伐しました。早くこの子の治療をそれとこの子たちは貴族の子供です。急いでエマちゃんを呼んでください」

カミラが急いで門番に伝えると門番はすぐに建物の中に案内しその足で別の場所に走っていった。


建物の中にあった机に白い布をひいてその上に子供たち二人を寝かせる。

寝かせるとすぐに布が赤く染まるが緊急事態のため仕方ない。

門番は動かなくなっている子を見ると首を振る。

その姿を見たもう一人は血を流しすぎてただでさえ青かった顔をさらに真っ青にして泣き出してしまった。

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