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65話 プレゼント

今の俺の所持金ではどうしても買えない。

子供で定期的に収入があるわけではない俺では借金をすることも出来ず俺は剣を棚に戻した。

「デニスちゃんその剣買わないの」

エマちゃんが俺が剣を戻したところを見ると声をかけられた。

「うん私の持っているお金じゃ足りないから別のにする」

俺はいつかお金を貯めてまたここに買いに来ることを決めて別の物を探す。

ダンさんの武器ならどれも丁寧に作られているためあとは俺が気にいる物を探すだけだ。

「でもデニスちゃんはこの剣がいいんだよね」

「でも仕方ないよ。いつかお金を貯めてまたここに来るから今は訓練するために武器が必要」

俺はそういうと剣の品定めを始めた。

「なら、おばさんこの剣ください」

エマちゃんは俺は欲していた剣を取るとダンさんの前に持っていく

「エマちゃんこの剣が欲しいの?この剣癖があるからあまりお勧めしないよ」

エマちゃんはあまり剣の練習をしていないようなのでいきなりこの剣を使うのは心配になる。

「違うよ。これは私がデニスちゃんにプレゼントするために買うんだよ」

「な、エマ様卑怯です。私もデニスさんにプレゼントしたいのに」

エマちゃんの言葉にレットが文句を言う。

「そうだよ。そのお金はエマちゃんのお金なんだからエマちゃんのために使わないと。それにもしプレゼントしてもらっても私今何も返せる物ないよ」

プレゼントを貰ってしまったらもしかしたら関係が変わってしまうかもしれない。

エマちゃんとはこれからも今のような関係を続けたい。

「そうです。私もプレゼントをしようとしたらデニスさんに返せるものがないからと断られたんですよ」

レットは今日俺に服をプレゼントしようとしていた。

しかしそのようなことをして貰っても何も返せない。

友達とは対等な関係でいたいのだ。

「それはレットちゃんが友達だからだよね。私とデニスちゃんは姉妹だから姉が妹にプレゼントを贈るのに何も違和感ないよね。」

確かに家族同士で贈り物をしあうのに違和感はない。

だが俺が「でも・・」とまだ渋っていると。

「それに今の私がいるのは三年前のデニスちゃんからのプレゼントのおかげだから。デニスちゃんへの私からのプレゼントってことで」

確かに三年前エマちゃんと約束をした。

そのあとエマちゃんは元気を取り戻しこの街に来ることになったのだ。

「うーんなら大事に使う。あと何かエマちゃんがしてほしいものがあったら何か言って、私にできることならなんでもするから」

「それなら久しぶりにデニスちゃんの作ったご飯が食べたいな。実家の味を久しぶりに食べたい。」

確かに昔一緒に暮らしていた時に俺が作ったりしていた。

確かに三年も離れていたら恋しくなるのだろう。

「デニスさんって料理出来るんですか」

俺とエマちゃんの話にレットが入ってくる。

「そうだよ。デニスちゃんは料理がとっても上手なんだから」

エマちゃんが自慢するように言う。

レットみたいにいい物しか食べていない人に俺の料理なんて食べさせていいのだろうか

「私もぜひ食べさせてください」

「うんうんなら今日の夕ご飯はデニスちゃんに作ってもらおうか」

俺を置いて二人は話を進める。

いつの間には今日ご飯を作ることになっているしレットに合うものを作れるか心配になる。


俺はエマちゃんに甘えてあの剣を買ってもらうことにした。

まだまだ子供だと思っていたエマちゃんからのプレゼントとなるとなんだか考え深いものがある。

これは今日何を作るかしっかり考える必要がある。

俺は剣を受け取るとウキウキしながら腰に差すが剣の鞘が地面についてしまう。

俺は仕方なく背中に背負うことにした。

「デニスちゃん嬉しそうだね。そんなに嬉しそうなら買ってよかったよ」

「うんうんデニスちゃんかわいい」

エマちゃんに言われてカミラは俺のことを微笑ましく見ている。

俺は恥ずかしくなって俯いた。


エマちゃんの成長を感じるデニスでした

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