63話 辺鄙な武器屋
騎士達に案内されて大分奥まった場所に案内される。
こんな奥の方にお姫様であるレットや聖女と言われているエマちゃんが来ていいのだろうかと思いながら進んだ。
かなり奥の方に行くと一軒民家のような武器屋で止まった。
唯一その建物が武器屋と分かる物が外に看板に武器屋と書いてある以外判断する方法がない。
俺達は店の中に入ると最初に行った店よりも品揃えが少なく見た目が平凡な物が並んでいる。
「ダンさーん客連れて来たぞー」
騎士の一人が俺達には絶対にしないようなフレンドリーな挨拶をする。
すると奥から一人の年を取った女性が現れた。
「なんだい坊主この前かった剣をまた折ったのかい。最近の若者は武器の扱いがなってないね」
奥から現れた女性と騎士はかなり仲がいいようで雑談を始める。
しかしこの女性どこかで見たことがある気がする。
「違う違うこの前治してもらった剣はちゃんと言われた通り手入れしてるよ。まだまだ調子がいいし今日はお客を連れて来たんだよ」
騎士は目線で俺のことを紹介する。
「目線じゃなくてちゃんと案内しな。人がたくさんいるから誰のことか分からないよ」
「そんなダンさん勘弁してくれよ」
おそらくこの騎士は俺に指をさしたいのだろうが俺があの学園に通っているせいで出来ないのだろう。
あの学園には貴族の子供ばかりが通っている。
そんな子供の反感を買ったら何をされるか分からない。
そんなことよりこの騎士達がよく自分たちの行きつけの店を案内してくれたものだ。
もし貴族の子供とはいえ反感を買ってしまったら取り壊しも考えられる。
「そんな客を連れてくるんじゃないよ」
騎士の行動で俺たちの身分を分かったのかジェイダンと名乗った女性はため息を吐いた。
「私は貴族じゃなくて平民だからこの店をどうにかは出来ない。そんなことより剣を買いに来た。」
とりあえず俺の買い物のため俺が声を出す。
「ほーその年でそんな考えが出来るとはなかなか聡い子だね。まあ貴族の子供じゃないならいつも通り適当な接客をしていいかね」
何やら女性が楽しそうにしている。
「あ、私は平民だけどこの子は王族だから気を付けてね」
俺はなぜかこの女性に嫌がらせをしたくなってレットのことを紹介する。
突然俺に言われてレットが慌てる。
「デニスさん私の身分を勝手に明かすのはやめてくれない。ここに居づらくなるじゃない」
レットはあまり身分を明かそうとしない。
先程いった店でも王族と分かればもっと店員の態度もよくなっただろうがそうせずあくまで一人の客として店内にいた。
しかしなぜかこの女性相手に嫌がらせをしたくなったのだ。
「お、王族!?あんたら一体なんて人を連れて来たんだい。ささお客様この椅子に座ってください」
女性は慌てて店の奥から椅子を三つ持ってきた。
レットは仕方なくさっきまでの無邪気な笑顔を辞めて今まで見たことない外行の笑顔に変える。
「そんな私のことは気にしないでください。本日は私の友達のデニスさんの剣を見に来た一人の客ですので、あくまでそのように扱ってください」
「そんな滅相もないこんな粗末な店ですがゆっくり御覧ください」
おばさんが慌てる姿を見るとなんだが懐かしく感じる。
そういえば前世でよく通っていた武器屋は若い女性でとてもフレンドリーな女性が店主をしていた。
俺がいた街でも女性の武器屋は珍しく変わり者として扱われていた。
その女性をよく見るとその女性が年を取った姿のような気がする。
「あのもしかしてダンさんってモールス国出身じゃないですか」
俺は思わず女性に聞いてしまった。
俺はやばいと思いながら俺は言ってしまったことを後悔する。
今この場にはカミラもいる。
カミラはさすがに武器屋に行ったことはないだろうが今の俺がそのことを知っていることはおかしいく言い訳が出来ない。
「ん、嬢ちゃんなんでそのことを知ってんだい」
ダンさんは俺のことを睨む。
俺がいや、そのって言いながら言い訳を考えていると騎士が「え、ダンさんってモールス国出身なの」と驚く。
「まあ私がこの場所に来るまではモールス国で仕事してたよ。でも約三十年前の災厄のせいでこんな辺鄙な場所に店を出すことになったんだよ」
俺は転生して初めてモールス国出身の人に出会ったそして俺はカミラを見るとカミラはとても居づらそうにしていた。
次回デニスお金が足りなくなります。




