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６２話　武器選び

今の俺に合う少し短めで丈夫な剣を探すために店内を見て回った。

この店はかなり広くたくさんの武器が置いてある。

今思えば折れてしまった剣はかなり古いものだったため脆くなっていたのかもしれない。

今度の剣も俺の体が成長するまでの間の練習用なため特別いい物でなくてもいいのだがそれでも俺が気にいる物が欲しい。

ある程度見て回った俺はため息を吐いた。

手持無沙汰にしていたレットは俺のため息に気づき「どうしたの」と聞いてきた。

「この店に置いてある剣まともな物がない」

この店に並んでいる剣はどれも見た目はとても立派なのだがどれも鉄が質が悪かったりバランスが悪かったりものによっては剣の内部が空洞になっている物もあった。

剣の内部を空洞にする方が大変だと思うのだが、そんな剣が丈夫なわけがない。

それに店員も俺たちが子供だらけの集団だからかか冷かしと思われているようで俺たちの相手をせず後から来た大人の客ばかり相手をしている。

「ふーんそんなに見るだけで分かるんだね。それにそんなに違う物かな。剣なんてどれも一緒だと思うけど」

エマちゃんは手元にあった適当な剣を取るとその剣を眺めている。

「その剣鉄に変な混ぜ物してあるから多分すぐに折れるよ」

エマちゃんが持っている剣は見栄えや艶をよくするために混ぜ物がしてある。

前世で騎士になったばかりの若者がこぞってそのような剣を借金をしてまで買っていた。

しかしそのような剣はすぐに折れて借金だけ残るという姿をよく見てきた。

結果俺はこの店では何も買わずに外へ出た。

この店の店員の態度は最後まで悪かった。

「うーんいい剣ってない物だね」

俺達は外に出て歩いている。

エマちゃんもレットも平民街で買い物をしたことがないらしくいい店を知らないとのことだった。

しかし街中をくまなく探す時間はない。

俺がどうしようか考えているとカミラが来た。

カミラには平民街に出るときから別行動をしてもらっている。

表向きはカミラは剣のことを詳しくないから暇になると思うから別行動をしてもらったのだが本当の理由は何かボロが出て俺の正体がバレないようにするためだ。

「デニスちゃんいいもの見つかった？」

「全くあのお店はダメだった。どこかいい店があるといいんだけど」

俺はため息をつく

「それならそこの人に聞けばいいじゃない」

カミラが指をさしながら答える。

その指をさす方を見るとエマちゃんとレットの護衛騎士たちがいた。

そういえばこの騎士達は剣を持っている。

それにこの街に俺より長く住んでいるはずなので武器屋に詳しいはずだ。

俺たちの話を聞こえていたようで騎士達は「少しお待ちください」と言うと考えだす。

しかし二人もすぐには思いつかないようでしばらく考える。

「んーそうだダンさんの店はどうだ」

一人の騎士がとある店を言うともう一人の騎士も「あーあの店なら」と答える。

「少し裏路地に入った場所にあるんですけどあの店なら品質はいいですよ」

どうやら騎士達の間で有名なお店のようだ。

俺たちは騎士達のおすすめな店に向かって裏路地に入っていった。