58話 カミラの再会
「デニスちゃんおいでここが私の部屋だよ」
エマちゃんに手を引かれて部屋の中に入った。
あの後寮の中でレットと分かれてエマちゃんに案内されるままエマちゃんの部屋まで案内されたのだった。
「あの、エマちゃん私は今までの部屋で大丈夫だから」
最後の抵抗としてさっきから何回か言ったことを言う。
「デニスちゃん遠慮はしなくていいだよ。私たちの仲じゃないほらほら入って」
最後の抵抗虚しく俺は部屋の中に通された。
エマちゃんの部屋は俺の部屋に比べてかなり大きく物も大量にあった。
そして物で床が見えなくなっていた。つまり散らかっている。
そういえばエマちゃんは一緒に暮らしていた時から片付けは苦手だったな。
俺が見渡していると俺がなにを思っているのか分かったようで、アハハハハと苦笑いをしていた。
「エマちゃん相変わらず片付け出来ないんだ」
「これでも頑張ってるんだよ!!でもなんでか片付けても片付けてもどんどん散らかっていくんだよ」
エマちゃんの言ってる意味が分からない
俺はソフィアを見る
ソフィアはため息を吐いた
「エマが片付けをするとタンスがひっくり返る。洗濯すると他のものに目移りして服が洗い直しになる。床を拭いていると床が水浸しになる。他にもいろいろありますが聞きますか?」
どうやらソフィアはエマちゃんに片付けをさせるのを諦めているようだ。
「ソフィアさんは注意したりしなかったんですか?」
俺はため息を吐きながら言う。
「私も何度も注意しました。ですが注意しても別のミスをします。もう注意することを諦めました。」
ソフィアは遠い目をしながら諦めた顔をする。
俺は諦めて「エマちゃん片付けるから待ってて」と言うと掃除を始める。
もう諦めてこの部屋に泊まるとしてこのままだとエマちゃんすら寝る場所がない。
「さすがデニスちゃん私のお嫁さんだ」
エマちゃんはとても嬉しそうにしている。
俺は諦めつつも昔のエマちゃんもこんなのだったなと思い出し懐かしい気持ちになる。
「私はお嫁さんじゃないよ」
どちらかと言えばお婿さんだ。
エマちゃんの部屋を四人で寝れる程度に片付けるとかなりの時間が経っていた。
時間がかかった理由は部屋がかなり散らかっていたのと部屋が大きかったことが原因だ。
「とりあえず今日寝れるくらいには片付けたから続きはまた今度ね」
俺は片付けをやめる。
そろそろご飯の時間かなと思っているとふと思い出した。
「そう言えばカミラに私がここにいるって言うの忘れてた」
俺は急いで部屋から出ようとする。
「何言ってるのデニスちゃんと契約してるなら居場所分かるでしょ」
エマちゃんは何てことない風に言う。
俺が何を言っているのか分からず混乱していると
「もしかしてデニスちゃん知らないの?契約したらお互いどこにいるか分かるでしょ」
え?そうなの知らないんだけど、そういえばカミラは俺と離れていても俺のもとにすぐにきたやってくる。
カミラは俺の居場所が常にわかっていたからなのかもしれない。
「知らないなら教えてあげる。デニスちゃんの体内の魔力を意識して、意識出来たら魔力が繋がってる感じあるでしょ、その繋がってる方向にいるよ。慣れたら距離もわかるようになるからやってみて」
エマちゃんに言われて意識してみる。しかし体内の魔力を意識することすらできない。
「うーんできない」
俺が言うとエマちゃんは嬉しそうにして「また後で練習だね」と言われた。
そういえばエマちゃんに何かを教わることは今までなかったなと思い俺に教えることが出来るのをうれしく思っているのかもしれないな
しばらくするとカミラが部屋に入ってきた
「デニスちゃんなんでこんな部屋にいる•••え?」
カミラが部屋に入ってくる。
その部屋の中にいるソフィアを見たまま固まっていた。
そういえば今世では二人はまだ再開してなかったな
「久しぶりですね。聖女いえカミラ元気そうでなりよりです。」
「ええ、ソフィアも久しぶりエマちゃんが契約したって精霊はソフィアだったんだ」
こうして二人は再開を果たしたのだった。




