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57話 言い争い

俺達が帰ってくるとエマちゃんとレットがなにやら言い争いをしていた。

「あ、二人共やっと帰って来た」

「やっと帰って来た」

「「デニスちゃん(さん)聞いて」

俺達がいない間に二人は大分仲良くなったようだ。

「エマ様を説得してよ。絶対私の方がいいよね」

「レットちゃんが全く分かってくれない。絶対私の方がいいよね」

俺が来ると二人は同時に話し出した。

「まあまあ二人共落ち着いて、一体どうしたの」

とりあえず二人を落ち着かせるとレットは話出した。

「今のデニスさんの部屋はかなり酷いでしょ。さっき学園長に脅したから近いうちに改善すると思うけどそれまでの間デニスさんはどこで寝泊まりするかってなったの。それで私の部屋に泊まってもらおうと思ったらエマ様が自分の部屋に泊まった方がいいって聞かないの」

「レットちゃんの部屋より私の部屋の方がいいよね。私たちは姉妹みたいなものなんだからお姫様のレットちゃんより私と一緒の方が落ち着くよね」

「いや私は今の部屋で十分なんだけど」

「「それはダメ」」

また二人の声が重なった。

エマちゃんは小さな時はずっと一緒に育って二人でお風呂に入ったり同じベットで寝たりした。それに一応身分は同じ平民のはずだ。

しかし十歳になったエマちゃんは確実に成長している、体に女らしさが出てきており精神が男の俺としては同じ部屋で寝たり着替えたりするのは気恥ずかしい

レットは最近はずっと一緒おり体もまだまだ幼く裸を見たり見られても気恥ずかしさはない。

しかしお姫様であるレット相手では俺の精神は休まらないだろう。

正直自室ではゆっくりしたいと思っている。

特に今はカミラが常に部屋にいるためあまりゆっくり出来ていないのにさらにもう一人となると余計疲れが溜まりそうだ。

俺の考えは決まっている。

「やっぱり別の部屋が用意できるまで今の部屋で十分だよ」

しかし俺の声は二人には届かなかったようでやはり二人は喧嘩をしている。

どうしても俺を自分の部屋に泊めることを譲らないようだ。

どうしようとソフィアを見るとソフィアは我関せずとまた花の手入れに戻ってしまった。

「こうなったらデニスちゃんにどちらの部屋がいいか決めて貰おう」

「そうですね。もうそれしかないですね」

二人の顔が一緒に俺に向く

「「どっちがいい」」

どうやら俺にはどちらかの部屋に泊まる以外選択肢がないようだ。

俺はどちらも選ぶことが出来ず結果部屋が用意出来ていても出来ていなくても明日はエマちゃん明後日はレットの部屋に泊まると決めた。

二人にそれを伝えると二人はどうにか理解してくれた。

「まあ最初はエマ様というところは納得できないけど明日来てくれるならいいかな」

「よし今から私の部屋に行くよ」

二人共笑顔になったからよかったと思おう。


「そんなことよりエマ、どうやらル…デニスさんは腕を痛めているみたいなので治した方がいいのではないですか」

ソフィアの言葉にエマちゃんとレットが俺を見る。

そういえば腕を痛めてたなと言うことを思い出す。

最初は痛かったが今は全く痛くなかったため忘れてた。

「えそうなの!なんで早く言ってくれないの」

そういうとエマちゃんは俺に近寄る

優しく手を持ち上げると「ソフィアお願い」との言葉とともに魔法をかけられる。

どうやら俺の腕が今治ったようだ。

「全くこれならかなり痛かったでしょ。ちゃんと固定しないと悪化するかもしれないからこれからは早く言ってね」

エマちゃんは俺の手を下すと前世のカミラのようなことを言われた。

彼女も成長したものだ。

「不思議と全く痛くなかったんだよ」

俺が直に答えるとエマちゃんは「そんな馬鹿な」と言ったのだった。


これを書くまで右腕の怪我のことを完全に忘れてました。

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