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54話 親目線

「あースッキリした」

「これでデニスさんも普通の学園生活が遅れますね」

エマちゃんとレットは俺の前を歩きながらやり切った顔で二人で話していた。

話の話題は俺のようなのだがどうにも話に入らず俺は後ろから追いかけるだけだ。

明日は首都に来てから初めての休日だ。

レットと買い物の約束はあるが買い物の時に素振り用の剣を買えばこれで毎日の素振りを再開することが出来る。

思えばあの折れた剣もずっと使ってきて軽く感じていた。

幼い頃に買った物だったからかなり軽く作っていたため少し成長した俺の体には合わなくなってきていた。

このまま成長することを考えると今度買う時は重めのものを買おう、重い方がいい訓練になる。

首都の物価は分からないがレイアから旅立つ時に貰ったお金で買うことが出来るだろう。

「デニスちゃーん聞いてる」

「え、なに」

どうやら考え事をしている時にエマちゃんに話かけられたようだ。

「やっぱり聞いてなかった。明日の買い物私も着いて行くから」

どうやら二人で話しているうちに明日の買い物の話になりエマちゃんもついて行くことになったようだ。

「それはいいけどエマちゃんは今日帰ってきたばかりなのに休まなくていいの?」

確か放課後あった時エマちゃんは遠征から帰ってきたばかりだと言っていた。

疲れが溜まっているはずなのだが大丈夫なのだろうか

「大丈夫だよ。馬車の中でずっと寝てたから元気いっぱい」

エマちゃんは元気さをアピールする様にオーバーに伝える。

「それなら大丈夫だけど無理だけはしないようにね。馬車旅は自分が思っている以上に疲れが溜まってるから」

ずっと寝ていたとはいえ揺れる馬車の中にずっといたのだ。案外辛いものだろう。

「さすがデニスちゃん大人と同じことを言うところは相変わらずだね」

「デニスさんはエマ様のお母様みたいな態度を取りますね」

俺たちの会話を聞いていたレットの突然の言葉にエマちゃんは「うんうんそうなんだよ」とうなづいている。

だが俺にとってエマちゃんは小さな時から知ってる親戚の子供のような感覚だ。

どうしても親目線になってしまう。たとえ今俺の方が体が小さくてもだ。


「この後どうしましょうか寮に帰るには少し早いしどこかに行くには遅い時間だよね」

エマちゃんはこの後どうするか悩んでいるようだ。

「そうだエマちゃんは公園に行こうよ。ソフィアさんにも久しぶりに会いたいし」

今あまちゃんがこの学園にいると言うことはソフィアもこの学園にいると言うことだ。

もしソフィアとカミラが会おうものなら俺の前世がルークだとバラされかねない。

そうなるとカミラに何をされるか分からないから急いで会いに行く必要がある。

「んーそれはいいけどデニスちゃんはソフィアとそんなに仲よかったっけ?あんまり話したことないと思ってたけど」

エマちゃんに言われてギクりとなる。

俺の前世を知らないエマちゃんは俺とソフィアの繋がりを知らないのだ。

「家にいた時に少しだけ、それにソフィアさんはエマちゃんがお世話になっているから挨拶しとかないとね」

俺が慌てて言い訳をするとエマちゃんに「またお母さんぶって」と言われる。どちらかというとお父さん目線なのだが。

「それでレットはどうする。一緒に公園にいく?それとも寮に帰る?」

エマちゃんがついてくるのは確定として、レットはソフィアと面識がない。

もしついてくるとしてもつまらないと思い念のため確認をする

「そうですね、寮に帰ってもつまらないしデニスさんについて行くね」

レットもついてくることとなり俺たち三人は次は公園に向かうことになった。

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