47話初めての自室
「それではデニスさん早く寮に向かいましょう」
レットは俺の手を取ると廊下に向かって歩き出した。
教室の扉に近づくと「それでは皆さんさようなら」とあいさつした途端教室の生徒全員が声をそろえて「さようなら」とあいさつをした。このクラス俺以外仲いいな。
ちなみに俺も教室からできるとき挨拶をしたが誰も返してもらえず羨ましそうな目で見られた。
俺とレットはまっすぐ寮に向かって歩いている。
もちろん俺の傍にはカミラがおりカミラとレットは楽しく話している。
気が付いたら二人は仲良くなったようだ。
寮につくとレットは階段を上がり三階に向かうと扉の前に止まった。
扉には四号室と書かれておりここが俺の部屋なのだろう
「デニスさんここが四号室です。早く入りましょう」
レットは当たり前のように俺の部屋に入ろうとする。
「レットこの部屋に入るのはいいけど私にも中がどうなっているか分からないよ」
一様レットに断りを入れるが「それでもいいから早く入ろう」と言われた。
ここまで案内してもらった彼女を邪見に扱うことが出来ず先ほど貰った鍵を使って扉の鍵を回す。
「私初めて友達のお部屋に入るから楽しみ」
レットはなぜかすごく楽しそうにしている。彼女も姫として窮屈な生活を送っていたのだろう。
扉を開けて入ると部屋の中は机とベットと小さめなクローゼットしかなった。
まあこんなもんかと思い中に入るがレットは顔を真っ赤にしていた。
「なんですかこの部屋は私の部屋とは大違いじゃないですか」
レットが突然叫び出し何事かと思った。
話を聞いてみるとレットの部屋はこの部屋の三倍は大きいのだそうだ。
他の人の部屋も大体同じくらいの大きさのようで俺だけこんなに小さい部屋で怒っているのだという。
「ちょっと先生に抗議してくる」と彼女は走りだしそうだったので俺が慌てて止めた。
「レット私はこの部屋でいいから」
彼女部屋の中に入れて落ち着かせる。
「でもこんなに小さな部屋だと窮屈じゃない」
「別に部屋では勉強するか寝るかだけだからいいよ」
「こんな小さなクローゼットだとお洋服が入らないよ」
「もともと服が少ないから十分だよ」
「この部屋じゃ友達を呼べないよ」
「クラスでよく思われてないから友達はあんまり出来ないと思う」
「でもでも」とそれでも心配してくるレットに俺は「この部屋で十分だからいいんだよ」と彼女に言い聞かせた。
クローゼットの中を開けると着替え用の制服 下着 体操着 昨日まで俺が着ていた着替えが入っていた。
俺の横でクローゼットの中身を物色していたレットはこれだけ?と言い出した。
突然連れて来られた俺はもともとから荷物がかなり少ないそれに俺自身服装に無頓着なため俺的にはこれで十分なのだ。
それをレットに説明するが「信じられない」と言われてしまった。
それにカミラが「そうなんだよ、デニスちゃんは服装に無頓着過ぎてお姉さん心配になったちゃう」とまた二人で話始める。まずカミラはお姉さんではないと言ったが聞き入れて貰えなかった。
「そういえばデニスさんは欲しいものが出来たらどうするの」
レットがふと疑問に思ったようで聞いてきた。
「基本的に消耗品は学園に言ったら準備してくれるらしい。あと私の精霊の力が必要になったら仕事をして報酬をもらう感じかな」
俺が答えるとレットは少し安心したようだ。
流石のお姫様でも詳しいことは知らないようだ。
「きちんと仕事が出来ればデニスさんの服を何着か買えそうで安心した」
なぜかレットの中で俺のお金の使い道が決まってしまったようだ。
「それではレットちゃん今度のお休みの日に一緒に買い物行きましょう」
とカミラが言い出し二人で休日の遊ぶ相談をしだした。
俺は「寮でゆっくりしてるから二人で楽しんできて」と答えると二人に「デニスちゃん(さん)も行くんだよ」と声を揃えて言われてしまった。
いつの間にか休日の買い物は俺もついていくことが決まったようだ。
デニスちゃんは押しに弱いですね




