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41話 初めての学園

学園街に入るとそこは平民街ではそこまで違いがなかった。

違いと言えば家の大きさが少し大きいくらいで、学園街は平民街と同じように大通りには出店が並んでいる。

俺は前世では聖女の護衛騎士をしていたおかげで見慣れている。この街にもきたことがあったのだが前世から時間が経っており、街の景色がだいぶん変わっている。

建物の材質が変わっていたり初めて聞く食べ物だったりでついついキョロキョロと周りを見渡してしまった。

そんな俺のことをウィリアムさんとカミラが微笑ましくこちらを見ていた。

「どうかしたんですか」

たまらず俺が二人に聞く。

「いやーデニスちゃんは相変わらずかわいいなと思ってね。どんなに大人ぶっていてもやっぱり7歳の子供なんだね」

「やっぱり他の街から来た人が初めて見ると珍しいようですね。どうですか何か食べたい物はありますか、買ってきますよ。」

どうやら二人は初めて見る首都の街に俺がわくわくしていると思ってしまったようだ。

「いえ、大丈夫です。」

俺は恥ずかしくなり下を向きながら答える。しかしおいしそうな匂いが気になってしまいついつい出店を見てしまった。

「デニスさん遠慮はしなくても大丈夫ですよ」

ウィリアムさんはそういうと俺がつい見てしまった出店へ行くと丸い揚げ菓子を何個か買ってきて俺に渡してきた。

「デニスさんどうぞ」

と渡される。せっかく買ってきたのだからと俺は受け取った。

食べてみると口の中に甘みが広がりついつい笑顔になってしまったのだがそれを見た二人はまた俺のことを微笑ましく見ていたのだった。


そのまま出店の通りを歩いていたが今度はなるべく周りを見ないように歩いた。

俺自身いい年した大人なのにまた二人にあの顔をされたら恥ずかしい。

俺は周りに興味があるがなるべく雑念を振り払って歩いた。

しばらく歩いていると塀に囲まれた建物が現れた。

ウィリアムさんはその建物の中に入る。

きっとここが学園なのだろう。俺はウィリアムさんにはぐれないようについていく。

そのまま建物中に入ると役場と同様に応接室のような場所に通される。

「改めましてようこそキール王国第一学園へ明日からデニスさんにはこの学園に通ってもらいます。今学園長は別の仕事をしてますので私が代わりに案内します。まずはデニスさんが契約した...カミラさん?とお話してもよろしいですか」

そういうとウィリアムさんはカミラについて質問があるようだ。カミラは質問されると分かっていたようで「どうぞ」と答えた。

「まずカミラさんの能力は何ですか?」

「身体操作です」

カミラはウィリアムさんの質問に答える。俺は馬車で能力を聞いていたため驚かなかったがウィリアムさんは違ったようだ。

「身体操作ですか、人型の精霊の割には地味ですね」

「そうですね。ですが他の精霊に比べても強い力を使うことは出来ます」

カミラは何てことないように答えるがウィリアムさんは明らかに同様している。

馬車での盗賊のおばさんと同様の反応だ。

「ですが、他の精霊よりも強い力が使えるということは他の精霊よりも強化できるということでしたら今まで私たちが見たことがないような力が出せるということですかね」

ウィリアムさんは何とかしてカミラの能力の長所を探すように褒める点を探しているに思う。

「そうですね。他の精霊よりも強い強化能力は使えますが、それは出来ないでしょう」

しかしカミラはウィリアムさんの言葉を否定した。

「どんなに強化しても人間の体には限界があります。限界以上の力を使うとデニスちゃんの体が壊れてしまいますので、私が全力で力を使うことは出来ないでしょう」

カミラの言葉にウィリアムさんは少し考えると「わかりました」と答えた。

そのあとは簡単な学力試験を受けた後本来は学園長に会うはずだったが仕事が忙しいとのことで俺はそのまま寮に向かうことになった。


丸い揚げ菓子はサーターアンダギーをイメージしてます。

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