38話 怪我の治療
気が付くと俺は眠っていたようだ。
昔の懐かしい夢を見ていたようだ。
今思い出しても悔しい俺のせいでカミラを助けることが出来ず彼女を死なせてしまった。
そして俺は転生しまた人として生きている。
彼女は精霊になってしまったというのに。
「あ、デニスちゃんやっと起きたんだね。」
気が付くとカミラが俺のところに来た。
「まだ寝てていいんだよ。デニスちゃんはかなり無茶したんだからゆっくり寝てて」
カミラに言われて体の節々の痛みに気が付く。
俺はカミラに言われたまま横になることにした。
しばらく待っていると護衛の騎士がこちらに来た。
「あ、お嬢さん起きたんだねよかった。体大丈夫?」
騎士が俺の目線に屈んで話かけられた。
さっきの夢を見ている間成人した男をしていたのにとたんに子供の女の子扱いをされて違和感を覚える。
「はい、今起きました。体は少し痛いくらいです」
俺はなるべく子供らしく答えると騎士が俺の頭を撫で始める
「そう、君のおかげでたくさんの人が助かったんだよありがとね。でも無理をしちゃいけないよ君はまだ子供なんだから」
騎士に頭を撫でられながら怒られてしまった。
騎士の人が離れた後カミラからあの後どうなったか話を聞いた。
今回の戦闘で盗賊を撃退することは出来たそうだ。
しかし突然の襲撃で騎士にも何人か負傷者を出してしまったとのことだ。
今のままだと首都に向かって進むことは出来るのだが次にまた襲撃された時のために近くの街に応援を呼びに行っているそうだ。
そういえば盗賊との戦闘中になんで力が湧いて来たんだろう。
「そういえばデニスちゃん大丈夫 体痛むでしょ」
カミラは俺の体の至るところを触りながら質問をしてくる
彼女は元聖女をしていたおかげで今の俺の体が異常を触るだけで分かるようですぐに違和感に気が付く。
「今デニスちゃんの右腕の筋を痛めているみたいだからマッサージしとくね~。私の身体操作の魔法で無理やり力をだしちゃったから骨が耐えられなかったんだね。」
カミラはそういうと俺の右腕をもみだす。俺は気持ちがよくてそのまま身を任せようとしたとき彼女の言葉に違和感を覚えた。
「身体操作の魔法?」
「そうだよ デニスちゃんが力で負けていたみたいだったから身体操作の魔法で力の補助をしたの」
なるほど あの戦闘中に突然力が湧いてきた理由はカミラが俺の強化をしたからなのか
突然の強化で力の調整が出来ず怪我をしたのだから文句を言おうと思ったが俺はカミラの顔を見ると文句を言えない。前世の癖で彼女に文句を言えないのだ。
「そういえばデニスちゃん寝ている時に聖女様って言ってたよね」
カミラはマッサージをしながら話出した。
「デニスちゃんは聖女様に憧れているのかな。まあ女の子のあこがれみたいな存在だもんね」
カミラが俺のマッサージをする手を休めず話をする。だが心なしか彼女はとても寂しそうだ。
「あのね聖女ってあんまりいいものじゃないんだよ。自由はないし皆と楽しく話そうとしても距離を取られて寂しいんだから。まあたくさんの人を助けることが出来るのはすごいやりがいがあるんだけどね」
「え、聖女様ってそうだったんですか」
気を抜いていた俺はつい昔の話方をしてしまった。
カミラに俺の右腕のマッサージは終わったようだ。
「そういえばデニスちゃんには言ってなかったかな。私前は聖女してたんだすごいでしょ」
彼女は少し誇らしそうに言う。彼女は俺が前世では聖女だったことに驚いたと思ったようだが実際はカミラの気持ちを知ったことに驚いたのだが。
もちろん前世では彼女に仕えていたから知っていはいるのだから聖女をしていたのは知っているとりあえず俺は「すごい」と言っておくことにした。
「まあ回復魔法が使えないと聖女になんてなれないですよね」
俺の言葉にカミラは何か思うことがあるようだが「そうだね」と答えた。
結局はその日は応援の騎士たちがくるまでのんびり待つことになったのだった。
久しぶりのデニスちゃんです。




