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36話 撃退作戦

俺とカミラはそのまま門に向かっていた。

この街には門が二つしかなくそのうち一つがドラゴンが接近しているため脱出口は実質一つしかない。

その一つに生き残った人全員が集まっているためかなり混雑している。

「やっぱりすぐには出れなさそうね」

「そうですね。ですが聖女様だけなら皆道を開けるのではないでしょうか」

「そんなのだめよ順番は守らなきゃ」

カミラはそういうと列が最後尾に並び出した。

本当はドラゴンは来ている今こんな悠長なことを言ってられないのだが、まだ外にはドラゴンが見えておらず避難は間に合うと思っていた。


他の騎士たちは住民たちの避難のため誘導をしている。

本来は俺もそれに参加するべきなのだろうが俺は聖女様の護衛のために免除されていた。

俺はこの時まだ楽観的に考えていたのだろう列に並んでいると突然目の前の門に火柱が上がる。


火柱が上がると周りの住民たちから悲鳴が上がった。

その火柱のせいで唯一の出口が通行できず、かなりの数の騎士が巻き込まれてしまった。

並んでいた者たちが急いで門から逃げていく。

カミラが急いで怪我人のもとに駆け寄る。

がれきの下敷きになっていたり逃げる際に怪我した人がたくさんおり急いで治療を始める。

街の外からついにドラゴンが現れた。

この街には大きめの城壁がある。本来であればこの城壁が魔物から守る頼もしい盾なのだがドラゴン相手では自分たちの逃げ道を邪魔なものになってしまう。

ドラゴンは城壁を難なく破壊するとそのまま入ってきた。

さらに最悪なことに破壊した城壁から魔物がどんどん入ってくる。

ドラゴンに誘導されてきたようだ。

俺たちは完全に閉じ込めれてしまった。

どうにかしてドラゴンを撃退することが出来れば今生き残っている騎士達だけで魔物の相手をすることは出来るだろう。

だが今ドラゴンが完全に街の中に入ってきて暴れているため魔物の相手をすることは出来ない。

住民たちは燃えている門を急いで消火活動を始めているがドラゴンが暴れ全滅する方が早いだろう。

カミラだけでも助かることは出来る。

俺が彼女を抱きかかえ燃えている門の中を通り抜ければいいだけだ。

もしかしたらカミラがやけどなどをするかもしれないが回復魔法が使える彼女なら自信を治療できるだろう。

俺はカミラだけでも助けるべく彼女に近づく。

しかしカミラは何かを考えているようで少し考えると意を決した顔で俺の方を見た。

「ルーク力を貸してあのドラゴンを倒すわよ」

「聖女様それは無理です。私だけではあのドラゴンに傷をつけることすらできません。」

しかし彼女は何か考えがあるようだ

「ソフィアお願い。強化魔法をつかうわよ」

カミラいうとソフィアが現れた。

「強化魔法は国から使用することを禁止されているはずです」

「でも今使わないでいつ使うの。このままこの街にいたら私は死ぬわ。なら少しでも多くの人を救いたい」

カミラは真剣にソフィアの顔を見る。

「あの聖女様一体何をする気なのですか」

「あー説明を忘れてた。ソフィアあなたの能力について説明してもいい?」

カミラがソフィアに聞くとソフィアはうなずくカミラは説明を続けた

「ソフィアの能力は生命を司る精霊なの。だから怪我した人は私を通して生命力を上げて怪我人たちを治すの。簡単な治療なら離れていても治療できるけど私に触れていれば触れているほど威力が上がる。だからまず私がドラゴンに触れて相手の生命力を下げるそのあと私があなたに触れているとあなたの生命力が上がり本来発揮できないほどの力を出すことが出来る。それでドラゴンの尻尾を切る」

カミラの作戦はかなり力技だった。それにソフィアの能力を使うことで攻撃能力を上げることが出来るのか、そしてあのドラゴンの尻尾は剣のようになっている。

単純だけどこの力はすごい国に使用を禁止されている理由もわかる。

力を操作するには攻撃する人と一緒にカミラも相手に近づかなければならない。敵に近づくとその分怪我をする可能性が高くなる。なら騎士自身の能力強化をした方がいい

「でもルークにも体に負担をかける。たとえ自身に強化魔法を使っても下手したら死ぬかもしれない。でも私だけではドラゴンを切ることは出来ないあなたにお願いするしかないの」

カミラは意を決したようだ。なら俺も覚悟を決めるしかないようだ。たとえ強化魔法が使えなくても

「わかりました。二人であいつを倒しましょう」


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