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35話 避難開始

俺は今の街の様子をみて立ち尽くしている。

俺は十五歳で騎士になり始めてきたがたくさんの思い出があった。

その街のいくつもの建物が崩れている。

特に治療院の周りの建物が優先的に壊されている。火災が治療院に引火しないように優先的に壊したのだろう。

俺がこれからどうしようか考えていると建物の奥からカミラが出てきた。

「街はこうなっていたのね」

彼女は特に気にした様子はない様子だった。

「聖女様危険です。中でお待ちください」

とりあえず今の俺が考えていても仕方ないと思いカミラを心配することにした。

「あなたにとって今の私はただの聖女なのね」

彼女がぽつりと小さな声で言った。

俺はその言葉に答えることが出来ず彼女はさっさと中に入っていくのだった。


その後はカミラが休んでおり俺の代わりに侍女が部屋の中で警護している。

俺は少し休むと他の騎士たちと合流することにした。

他の騎士たちと合流し倒壊した建物を片付け無事な建物を探す。

騎士団の施設があった場所付近はかなり火災が酷かったようでほとんどの建物が倒壊していた。

それでも街の外側の建物は無事な建物が多かった。

その日はそのまま片づけを行っていると門の付近が騒がしくなってきた。

俺はその様子を見に行くとボロボロの騎士が二人いた。

「お前たち早くここから逃げろこのままだと大変なことになるぞ」

「このままだと本当にやばいんだって早く逃げろ」

その騎士たちはかなり慌てているようでとりあえず逃げろと言っている。

そこに隊長が来て二人の話を聞くために仮に使っている建物に連れて行った。

少しすると隊長が慌てて出てきた。

「今すぐここから逃げるぞ、動けるものはすぐに市民に逃げるように伝えろ」

「隊長どうしたんですか理由を教えてください」

二人の話を聞いた隊長が珍しく慌てている。

「すまない。この街にドラゴンが向かっているこのままだと我々は全滅だ。」

隊長の言葉を聞いて急いで生き残っている市民達に避難指示を出す。


その騎士たち曰く大軍を率いて出て行った理由は街の近くにドラゴンが発見されたからだそうだ。

最初はまた誤情報だと思われていたが、その報告が複数上がっており確認に行った者たちからもいたと報告があり確信した。

ドラゴンの知能は高く会話をすることが出来るため軍を率いて話会いに行った。

ドラゴンの前に代表者が行き話し合いが始まった国の代表はドラゴンが欲しがる宝石や肉を用意しどうか街を迂回してもらうようにお願いした。

ドラゴンはうなずくとお前たちの街はどこだと聞かれた。

代表は指をさしながらあの見える街ですと答えた。

するとドラゴンは空へ飛ぶ。他の騎士たちはどの街か確認しに行ったのだろうと思っていたそうだ。

しばらく飛んでいるとドラゴンは急に火を何度も吐き出したのだという。

火を吐き出すとすぐに降りてくると「お前たちの街はこんな宝石や肉が大量にあるのだろうとても興味がわいたからあの街に行くことにしよう」と言い戦闘が始まったという。

しかしどんだけ大勢の軍人でかかっても傷をつけることが出来ず時間稼ぎで精いっぱいだということだ。

あの二人は街に逃げるよう言うために急いで帰って来たそうだ。


その話が本当ならドラゴンは今ここに向かっているということだ。

生き残った者たちはドラゴンが来るという方向とは逆の門からどんどん出ていく。

しかしカミラだけはなかなか出て行こうとしなかった。

「聖女様早くお逃げください」

「だめ今この人を今治さなければ助からない」

「このままではこの街は滅びます早く」

侍女とカミラの声が聞こえてくる、おそらく侍女は早く逃げたいのだろう。

結局侍女は「もう付き合ってられない」と叫ぶとそのまま一人で出て行ってしまった。

侍女が出て行ったあと俺はそのまま部屋に入る。

「聖女様まだ逃げられてなかったんですね」

俺が入ってくるのを確認するとカミラは「あなたも逃げたければ早く逃げなさい」といい治療を続ける。

部屋を見渡すとまだこの部屋には今治療している人の家族だろうその人たちが待っている。

俺は何も言わずに患者をカミラが治療しやすいように光を当てた。

「あなた何しているのこのままこの場所にいたらあなたは死ぬわよ早く逃げなさい」

「あなたは何を言っているんですか私はあなたの騎士です。あなたを残して逃げるわけには行きません。それにあなたは誰も見捨てることは出来ないのは分かってますから」

俺はそういうとそのまま治療の手伝いをする。そんな俺の姿を見ると彼女は笑いながらそのまま治療をしてしまった。


治療が終わり家族が連れて逃げて行った。

「聖女様治療は終わりました。逃げますよ」

「あなたも物好きよね。護衛騎士だからって私のためにここに残るなんて」

彼女は荷物をまとめながら俺に話かける

「私が逃げなかったのは仕事だからではありません。あなただからです」

俺がそういうと荷物をまとめる手を止めて俺を見る。俺が「急ぎますよ」いい片付けを続けたのだった。

そのまま俺たちは逃げるために門に向かっている

「ねえこのまま私の実家がある街に逃げましょうか」

彼女の言葉に俺は彼女の顔をみてしまう。

「だってどこに逃げるか決まってないんでしょう。それぞれ知り合いのいるところに逃げている。でも私には知り合いなんていないから」

彼女は聖女になってから家に帰っていない。両親が人質に取られたりしないように必死に隠されてからだ。しかしこんなどうなるか分からない状況で彼女も家に帰って両親の顔をみて安心したいのだろう。

「わかりました。幸いここから近いですので向かいましょうか」

俺の言葉に「ええ」と言いそのまま門に向かった。

なんかすごくデレてますね

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