34話 火災の原因
燃えている首都を見ると隊長はすぐに部下を出した。
「聖女様今様子を確認に向かわせております。このままお待ちください。もしかするとこのまま逃げていただくことになります。」
隊長の言葉にカミラがものすごく怒り出した。
「あなたは私に怪我をした人を見捨ててそのまま逃げろというのですか」
「いえですが今聖女様に何かあると国に大きな損失になります」
彼女がこんなに怒ることは珍しい俺以外にはとてもあたりが優しいと評判の彼女がだ。
「それこそ今首都が壊滅しようものなら考えられないほど大きな損失になります。私が行くことで守れる命はたくさんあるでしょう。それに私のことはあなたたちが守ってくれるのでしょう」
隊長はそういわれると何も返せなかった。しかしなぜか最後の俺の方を見ながら言っていたのだが気のせいだろうか。
「そういうことであれば今様子を見に行かせてます。せめてその結果をお待ちください」
隊長の言葉にうなずくと騎士達が帰ってくるのを待つしかなかった。
その後様子を見に行っていた騎士たちが帰ってくる。
報告によると騎士団の施設はすべて崩壊しており街の中に騎士団はおらず何をしているのか分からなかった。
住民たちの避難誘導がされておらず住民が右往左往していた。
最後に火災の原因は噂が錯綜しており、隣の国が攻めてきたや魔物が攻めてきたなど原因が分からなかった。
カミラは報告を聞いていたが報告を聞くと最後に「怪我人はいましたか」と聞いた。
騎士たちは何も答えなかったがそのあとすぐにソフィアが現れる。
ソフィアより多数の怪我をしていることが報告した。
大怪我をしたものが多数治療院に運ばれておりパンクしているそうだ。
その報告を聞くとカミラはすぐに首都へ向かうことを決めたのだった。
首都に入るとまさに地獄絵図だった。
火を消そうと何人もの住民が走り回っているが規模が大きすぎ消すことが出来ていない。
怪我をして動けない人が多数道に倒れている。
隊長は首都に入るとすぐに部下たちに怪我人たちの救出と火を消すように指示を出した。
俺はカミラとともに治療院に行くことになった。
治療院に行くと何人も怪我をしている人が寝かされており、入り口にも人が殺到していたがその人達をかき分けて中に入る。
中にいた医師たちはカミラの姿を見ると驚いていたが、彼女の「手を休めないでください」の声を聞きすぐに仕事に戻った。
彼女も重症の人から順番に見て行った。
それからかなりの時間がたち彼女は多くの人を救った。
しかしいくら彼女が優れた治療師だとしても救えなかった人も大勢いたのだった。
俺も手伝いをしていたが俺に出来ることは人の誘導くらいだったが、カミラは中で重傷者の治療が終わったようで俺のところへ来た。
「すぐに外を回ります。ついてください」
彼女の言葉に他の治療師たちが止めに入って。
「待ってください。聖女様はかなり無理をなされています。少しはお休みください」
他の人達も止めるが彼女引かない。彼女たちもわずかな隙を見つけては休憩していたがカミラだけは一切休憩をとれていない。やっと落ち着いたのに休むことなく街に出て治療をしようとしているのだ。
「来る途中何人も倒れている人がいました。他の騎士たちが救助をしているはずですがここにいるまだまだ外にいるはずです急いでいかなくちゃ」
今彼女はかなりの無茶をしている。それなのにまだ無茶をしようとしているようだ。
他の人から止められているが彼女は一人でも行こうとしている。
「聖女様お待ちください。今騎士たちは怪我人をここに運んでおります。それはあなたがここにいるからです。そんなあなたがここを離れると重傷者を助けることが出来なくなります。どうかここでお待ちください」
俺が彼女を止めるようと声を出す。
その声を聞くと他の治療師たちがいくら言っても聞かなかった彼女だが俺の言葉を聞くとなぜか素直にうなずいた。
そのあと何人もの重傷者が運ばれてきては治療を繰り返した。
気が付くと日が一度暗くなった後昇っている。
騎士たちによるともう重傷者はいないとのことだったためカミラは休むことにした。
少しすると隊長が来て状況を聞かせてくれた。
首都にいたはずの騎士団たちは大軍を率いて出ていた。
一日が経つといきなり騎士団の施設すべてに火柱が上がった。
その火柱でほとんどの騎士たちが死んでしまい誘導する人がいなくなったとのことだ。
隊長がカミラへ報告が終わると「とりあえず今はお休みください」というと外へ出て行った。
俺はそのまま外に出ると火はほとんど消えていたが俺たちの住んでいた街はなくなっていた。
「もう重傷者はいない」つまりあとはたくさんの〇体だけということです。




