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27話 力不足

俺たちの通り道を盗賊達が塞いでいる。

「お嬢さん顔を出したらダメよ。今すぐ馬車の中に隠れなさい」

近くにいた昨日話した人とは別のおばさんに急いで馬車の奥に連れて行かれる。戦闘の様子を馬車の奥から覗くしかない。

盗賊達はすでに戦闘態勢に入っている。

対してこちらの騎士達は突然現れた敵に動揺しており、戦闘準備が出来ていない。

盗賊達は準備の出来ていない騎士相手に準備をする隙を与えるわけもなく攻撃を開始した。

最初の攻撃で何人もの騎士達は倒れてしまい、それに対してもまた動揺してしまっていた。

騎士達もどうすればいいのかわかっておらずとりあえず武器を取って戦い始める。

だが陣形が出来ておらずそれでまたどんどん倒れていく、だがこのままの騎士ではない異変に気がついたこの隊の隊長が出てくる。

「全員何をしている!すぐに陣形を整えろ」

流石に本職の騎士たちだその声を聞いて我に帰りすぐに立て直した。

人数差があるおかげで、まだまだ押し返えせずにいるが少しずつ盗賊達も後退している。

だがあまりの人数差に後方にいた騎士達も前に出てきている。

おかげで、後方の人員まで前に出てしまっている。


これはまずいと思ったが今の俺にはどうすることも出来ない。

俺は突然この馬車に乗せられたが家からずっと使っている剣を持ってくることは出来ている。

だがこの剣は素振りのための刃抜きの剣であり戦闘には向いていない、それにこの騎士団の陣形を知らないため俺が今から入っても邪魔にしかならない。

だがこの規模の盗賊団がなにも考えずに人員を前に集めるわけがない。

多分後方から挟み撃ちにするだろう。

だが隊長も前の盗賊との戦闘の立て直しで余裕がないようで俺がそのことを言いに行くことはできない。


これはやばいと思っていると急に馬車の扉が開かれる。

突然の音に周りの人達全員がその扉を見る。

皆は騎士達が自分を守るために入ってきたと期待した様だが残念ながら入ってきたのは二人の盗賊だった。

乗客の中からは悲鳴が上がるが外での激しい戦闘音で外に声が聞こえておらず、残念ながら外の騎士達はこのことに気づいていない。

「おら有り金と貴重品を早く袋に入れな!」

盗賊達の声を上げると同時に近くにいた男の人を剣で刺す。

このせいで周りの乗客達は逆らうことが出来ずどんどん荷物を渡してしまう。

大体の乗客から荷物を奪い出て行こうとしたところで昨日話していたおばさんが声を上げる。

「お前たち待ちな、このガキは人型の精霊と契約している。能力的には強くないがもしかしたら何かに使えるかも知らないついでに入れていきな」

その言葉に他の客たちがざわつく

だがおばさんは盗賊達に指示を出すと盗賊達の側は行く。

「姉さん情報ありがとうございやす」

「あーもう疲れたよこんなぼんぼんの奴らとずっと一緒にいて気が滅入ってたんだ」

盗賊とおばさんとの会話で確信する。このおばさんは盗賊の仲間だ。

「おいおばさんこの馬車にははっきりした身分とそれにかなりの金が必要なはず、なぜこの馬車に乗ってる」

俺の声におばさんは俺を睨んだ。

「誰がおばさんだい口悪いガキだね。そんなの簡単だその辺にいた貴族を脅したんだよ。簡単だったねこの馬車に乗るのは」

なるほど単純な方法だ。たしかにその方法ならこの馬車に乗り込めるかもしれない。

「ならこの馬車に乗り込んだのは金のためか」

「そうだね。この馬車は金持ちしか乗ってないから一人が乗り込み休憩中に仲間にどこを通るか指示を出すだけで簡単に大金が入ってくる。まああんたみたいな精霊と契約した奴がいるとは予想外だったがなにか使い道もあるだろ。もういいだろお前らこいつを連れていきな」

おばさんが指示をだすと男たちが俺を捕まえようとする。だが簡単に捕まる俺ではない。

俺を捕まえようとした男の避けると持っていた剣を振った。

俺の剣を避けることが出来ず、俺を捕まえようと屈んでいたおかげで俺の身長でも届く高さにあった頭に一撃を入れた。

流石に刃抜きされた剣では相手を仕留めることはできなかったが、気絶させることはできた。

「おいガキ相手に何してる。大人しくしときな」

そういうと盗賊が先程乗客の男に刺した剣を俺に向け振り下ろしてきた。

だが男はまだ俺を捕らえようとしてるのだろう狙ったのは頭ではなく剣を持っている腕の方だ。

俺は瞬時に判断して体を逸らし避けるそして剣を男の体を目掛け振るった。

これで二人目だと思ったが男がつけいていた防具で大したダメージを与えることが出来ない。

俺はうまく当たれば一発で意識を奪える頭を狙いたいのだが、今持っている剣は俺の身長に合わせたショートソードであり相手にかなり接近しなければ頭を狙うことはできない。

相手はしっかり防具をつけており大人の力であればダメージを与えることができるだろうが子供の力ではどうしても有効なダメージを与えることが出来ないでいた。

盗賊の男もそれがわかったようで「嬢ちゃん怪我したくなかったら大人しく捕まんな」と言っている。

これはやばいなと思っていると「デニスちゃんはまた私のことを忘れてるね」と声が聞こえてきた。

40話までにまたエマちゃんを出せそうでうれしいです

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