25話 初めての旅立ち
あれからしばらくレイアは俺から離れようとしなかった。しかし役場の人はしばらくの間レイアそんなレイアを待っていてくれた。
でもさすがに役場の人も仕事が残っている。最終的には役場のお姉さんから「そろそろ」の声でレイアも離れた。
レイアも最後まで名残惜しそうにしていたが最後は「またね」というと部屋から出て行った。
お姉さんもレイアの最後の姿を見て泣いていた。
「ごめんね私もまだ小さな娘がいるから娘と離れると思うとどうしても辞めさせる出来なかったの」
お姉さんにも子供がいるようで子供との別れかと思うとレイアをなかなか離すことが出来なかったそうだ。
「じゃあこれからのことを説明するね。まずあなたにはここで健康診断を受けてもらいます。それが終わるとすぐに首都行の早馬車に乗ってもらって首都に行ってもらうことになります」
そういわれると俺はお姉さんに言われるままに身長・体重・血液検査を受けた。
結果は俺が首都についてから教えてくれるそうだ。それからすぐに馬車に乗せられた。
周りには大人ばかりで身なりがいい人ばかりだった。
その日は日が落ちる前に町を出ることになった。
周りの大人は顔見知りなようで楽しそうに話している。俺は生まれ変わって初めての外の景色に20年たってもあまり違いはないんだなと思っていた。
外が暗くなってきてふと疑問を覚えた不思議に思っていると近くにいたおばさんに話しかけられた。
「お嬢さんは一人なの。訳ありかしら」
「違いますよ近くに友達がいます。」
俺が答えるとカミラが現れた。そういえば役場で彼女はなかなか出てこなかったな。
「デニスちゃんいい子でいる?馬車って退屈だよね」
突然出てきた彼女におばさんに驚かれてしまった。
「お嬢さんは強い精霊と契約した子なのね。そちらの精霊様はどんな能力なのかしら」
そういえば俺はまだカミラの能力を知らない。前世ではソフィアの力を借りて回復をしていたが今はソフィアの力借りることが出来ないどんな能力だろう。
「はい私の能力は身体の操作です。」
身体の操作?確か下位の精霊の能力で確か契約者の力の強化くらいじゃなかったかな。おばさんもそう思ったようだ。
「人型なのに身体操作なのね。もしかして本当は違う能力だけど他人には嘘の能力を言うようにしているの」
「いえそんなことないですよ本当に身体の操作です。よかったらデニスちゃん試してみる?」
確かに試してみようと思い俺は近くにあった大きなカバンのところへ向かった。
近くにいた持ち主の人に断りを入れてる。
最初俺はそのカバンを持ち上げようとした、しかし今の俺ではそのカバンを持ち上げることが出来なかった。
そこでカミラが俺に魔法を使うするとそのカバンを持ち上げることが出来るようになった。
カバンを元の場所に戻ると「確かに身体の操作でした」と答えた。
「本当に身体能力の操作なのね、人型なのになんだか期待外れね」
おばさんはがっかりしたようだ、完全にカミラへの興味を失ったようだ。
そこで俺ふと思った疑問を聞いてみることにした。
「そういえば普通暗いうちは移動せずに休むんじゃないんですか」
「あなたは外に出るのは初めてなのね。そうね普通は周りを見渡せる明るいうちに行けるだけ行って暗くなったら休憩するのだけど、この道は首都と国境の町を繋ぐ重要な道なのだからしっかり整備されていて魔物が絶対に来ないようにしっかり整備をしている。盗賊も来ないようにたくさんの護衛の騎士がいるの。本来は高いお金を払って重要な人や大切な物を運ぶための馬車なのだけどあなたは人型の精霊と契約したから特別に乗れてるのね」
なるほどだから先ほどからほとんど馬車が揺れず暗くても遠くまで見渡せるのか。それに定期的に魔物狩りをしていてしっかり護衛がいるから暗くても関係なく進むことが出来るということか。
俺は納得すると首都に到着するまで何をしようか頭を悩ませることとなった。
やっと主人公が旅立ちました。時間かかりすぎじゃないですかね




