24話誕生日翌日の朝
俺が起きるとベットには俺しかいなかった。
昨日は常にカミラは俺の傍にいたが今はいない、この部屋には俺だけだ。
着替えた後リビングに行くとレイアとカミラが料理をしていた。
「デニスは卵焼きは半熟のほうが好きなのよ」
「わかりました。もっと他にデニスちゃんの好きな料理を教えてください。」
二人は楽しそうに料理をしていた。
俺が手伝おうとキッチンに入ろうとするがさすがに一般家庭のキッチンに三人は入らない。
「デニス今日は何も作らなくていいから作ったものを並べてくれる」
俺が入らないからどうしようかと考えているとレイアに言われる。
今日はなぜかすでにたくさんの料理が出来ておりキッチンに入らなくなっていた。
俺は黙々と料理を並べている間二人は「この料理の卵はもっとゆっくりあまり混ぜないくらいがちょうどいいのよ」とか「レイアさんそこはもっと焼いた方が風味が出ておいしいです」など二人で料理をしている
カミラは聖女になる前は一般家庭で育ったため料理が出来る。俺も何度もごちそうになったことがあった。
結局いつもの朝ごはんに比べるとかなり豪華になった。
いつも以上の量に結局俺たちは食べきれず、ルーカスとおじさんおばさんのお弁当と俺たちの昼ご飯にすることにした。
本当はルーカスは今日も休みたいと言っていたがさすがに3日も連続で休むことが出来なかったようで、本当に申し訳なさそうに仕事に出かけて行った。
あとは役人がいつ来るかだが今日中に来るはずだがいつ来るかは分からない。暇を持て余した俺は昨日あまりできなかった鍛錬をすることにした。
集中して剣を振っていたらかなり時間が経っており気が付くと傍にカミラとレイアがいた。
「あ、デニスやっと気が付いた。お昼よ汗拭いたらいらっしゃい」
そういうとレイアは家に入っていった。
俺は家に入って汗を振っているとカミラがまだそばにいた。
「デニスちゃんの剣の訓練はかなり本格的だね。私にはよくわからないけど昔見ていた凄腕の騎士たちを同じ迫力を感じるよ」
確かに俺は道場では先生の言われる型の練習をしているが、家では前世の型の訓練をしていた。
単純にこの街で教えている型より前世の型のほうが実践向きだからその訓練をしているだけなのだ。
「まあ3年くらいは道場に通っているから剣には少し自信があるよ」
俺は少し胸を張って答える。
「そうみたいだねいろんな道場に殴り込みして回るくらいには強いらしいね」
彼女の言葉に俺は固まってしまう。
俺は「まあ強くなるためだから」と答えるとカミラから「レイアさんも心配してるからほどほどにね」と言われ俺は「気を付けます」ということしかできなかった。
お昼を食べ終わると役人がやってきた。
役人の指示によりエマちゃんの時と同じように俺はレイアと役場に連れて行かれることになった。
俺たちは前回と同じ部屋に通された。俺は最初前と同じように豚男が出てくると思っていたが残念ながら今回は女の人が出てきた。
そういえばどうやって強い精霊か判断するのだろう。ふと俺は疑問に思ったことを聞いてみることにした。
「そういえば強い精霊の判断方法ってどうするんですか」
なぜ俺はエマちゃんの時に聞かなかったのだろう。きっとソフィアが強い精霊と分かっていたからだと思うが。
「そうね、まず人型なら強い精霊と判断されるわね」
その言葉にレイアの顔が青くなった。カミラは人型だから俺が連れて行かれることが確定してしまったからだ。
「あとは役場の精霊と契約している人が何人もいるからその精霊からとても強い精霊と判断されたらかな。よかったわねあなたと契約した精霊は強い精霊確定だよ」
「あのもしかしたらそんなに強い精霊ではないかもしれないので、よかったら他の精霊の方に調べてもらうことってできませんか」
レイアが万が一カミラの力が弱いのではないかと他の精霊に確認してもらおうとお願いしている。
「他の精霊に確認してもらうことは出来ますが、首都に行っていただくことは決まっております。人型は行っていただくことになってますから」
俺が首都に行くことが決まった瞬間だった。
最終的にはレイアが書類にサインをするしかなくなくなってしまった。
そしてレイアとの別れの時が来てしまった。レイアは最後泣きながら俺を抱きしめる。
「デニス向こうに行っても元気でいるのよ。剣はほどほどにね。エマちゃんみたいにたまには手紙を出してね」
レイアはしばらく俺を抱きしめながらずっと泣き続けた。
しばらくルーカスたちの出番がなくなりそうです




