23話誕生日の夜
その夜おじさんとおばさんが帰って来た。
二人に何かいい案が出たかと聞かれたがルーカスが首を振る。
「俺たちも仕事中考えてたけど全くいい案が出なかった。」
おじさんたちも考えてくれたそうだがやはりいい案が出なかったらしい。
今日俺はずっと俯いていた。それをレイアは別れたくないからだろうとずっと俺のそばにいた。
正直カミラに俺の正体がバレないか心配でずっと俯いているだけだが。
カミラに自身が強い精霊か聞いたが「他の精霊と力比べをしたことがないから分からない」とのことだった。
俺たち5人が話し合いをしていた間カミラは一度も自分から口を開かなかった。俺たちが質問をした時だけ答えるだけだった。
その日の話し合いは終わり結局は明日役人にカミラが強い精霊ではないと言われることを祈るしかないということになってしまった。
その結果が出た後おばさんも泣き出してしまい俺を抱きしめた。
彼女は3年前に我が子のエマちゃんと精霊の契約をしたため離れなければならなくなった。
その時も彼女は泣いていたのだが、やっとこの生活にも慣れてきた所だったのにまた我が子のように育ててきた子と離れるかもしれないのだ。
おばさんは泣きながらずっと俺を抱きしめているその姿を見ると俺も涙を流してしまう。
レイアもまた泣き出してしまいその日の夜は過ぎていった。
その夜俺は寝るべくベットの中に入る、ルーカスとレイアは「後から来る」と言っていたので先にベットに入ることにした。
今俺の傍にカミラがおり今もまだ暗い表情をしている。前世の彼女を知っているがこんなに落ち込む時はほとんどなかったためさすがに俺もいたたまれなくなった。
「あのカミラさん大丈夫ですか」
俺の言葉にカミラは少し驚いたようで「大丈夫ですよ」と言ったがとても大丈夫そうに見えない。
「朝はとてもうれしそうに私を抱きついてきたのに今はずっと暗い表情をしています何かあったんじゃないんですか」
俺の言葉に彼女はしぶしぶ教えてくれた。
「デニスちゃんは優しいんですね。そうですね最初はあなたをこの家族の皆さんと一緒に成長を見守ろうと友達になろうと思っていました。ですが私が人間だったころとは違い私があなたと契約をしたせいで家族の皆さんと離れて暮らさなけばならなくなりました。ご両親の皆様があなたを愛していることは今日一緒にいただけで分かります。本当に申し訳ないんです」
彼女の言葉に俺は何も言えなくなった、せめて彼女を励まそうとした思ったときにレイアが入ってきた。
「確かに私たちはデニスとは離れて暮らさなければならなくなるかもしれないわ。もちろんあなたのせいでね。これから毎日少しずつ成長していく我が子を見守ることが出来なくなった。」
レイアの言葉にカミラはさらに申し訳なさそうな表情をしている。
どんどん顔が下がっているのだがレイアは言葉を続けた。
「だから私たちの代わりにあなたにデニスをお願いしたいの。私たちと違ってこれからあなたはこれからずっとデニスと一緒にいる。だから私はあなたにデニスをお願いしたいの」
レイアの言葉にカミラが驚いたように顔を上げる。
「この子はまだまだ子供よ。この子は大人のような言葉や行動をするけどまだまだ子供なの 子供には保護者が必要なの だからお願いあなたが私たちの代わりこの子を立派な大人に育てなさい。」
今日レイアはカミラと一切話すことはなく今初めて話をした。カミラはレイアから俺を託されたのだ。
その言葉に責任感が強いカミラが力強くうなずくのであった。
その日は俺が寝た後カミラとレイアが俺との思いで話をずっと話続けたのだった。
レイアの言葉少し無理やりすぎたかなと思います




