151話 突然の呼び出し
「失礼します。」
俺は先生に呼ばれたため職員室にきた。
職員室にはあまり来ないため周りの物が目新しい感じる。
そのため来るたびに室内を見渡してしまう。
今日も同じ様に見渡していると不審に思うところがあった。
先生の側に侍女さんがいるのだ。
この学園の先生は地位の高い人もいるため私生活では侍女の世話になっている人もいるが学園のそれも職員室ですら侍女の世話になっている人はいない。
学園の教師の給料より侍女を雇う給料の方が高くつくからだ。
そんな働く意味のないことをする人は誰もいない。
それなのに今ここに侍女さんがいる。
それだけ特殊なことがあったもしくはあるということだ。
「デニスさんこちらです。」
不思議に思っていると侍女さんが近くにいる先生に呼ばれる。
まさかあの侍女さんが俺のようがあるのだろうか。
とりあえず呼ばれたため俺はその先生の元に向かう。
「初めまして、私の名前はシエンナと申します」
先生に近づくと侍女さんに挨拶をされた。
「デニスと申します。よろしくお願いします」
先に挨拶をされてしまったが俺も慌てて挨拶をする。
俺もシエンナさんも同じ様に挨拶をした。
これは侍女の試験を受けるにあたって学んだことを実践しているだけだ。
侍女の試験を受けた者にとっては当たり前にできなければいけないものだ。
「それではデニスさんシエンナ様に失礼がないようにしてください」
シエンナ様?
この先生が身分が低いのか高いのか俺には分からない。
レットならもしかしたら知っているのかもしれないが残念ながら俺にはその知識がない。
もちろんエマちゃんも俺と同じく見るだけじゃその人の身分は分からないだろう。
先生は俺を残してどこかに行ったため俺にようがあったのは先生ではなく侍女さんなのだろう。
「今回来てもらったのはデニスさんへ依頼があるからです」
依頼?と言うことは侍女としての仕事だろう。
残念ながら騎士としてまだ名をあげていないため国からの依頼は侍女としてだけだろう。
そして俺に侍女の仕事ということは
「緊急ですが今からエマ様が遠征に向かう事になりました。本当は別のもっと準備をしてからにしたいんですが緊急事態のため本日中に出発します。準備をしてください」
「本日中ですか、急ですね」
俺はエマちゃんの遠征について行くことは侍女になってから何度かある。
大体が名のある貴族やその子供。他国からの依頼にだった。
だがそれも必ず準備期間があった。
だが今回は準備時間が全くなく本日中とはそれだけ緊急事態ということだろうか。
「今回は緊急事態です。とある大きな街で流行り病が起きています。感染速度も早く街の住民がどんどん感染しているのが現状です。街中の人が感染しているためその街の領主も感染しており、近隣の街にまで広がる可能性があるため急いでエマ様に対応して頂く事になりました。」
「分かりました。それで大きな街ってどこですか?」
俺はそこまでこの国の地理について詳しいわけではない。
それでも大きな街というくらいには俺でも聞いたことがある街なのかもしれない。
「そうですね。その街の名前は・・・・・」
シエンナさんが言った言葉は俺とエマちゃんが生まれ街だった。
よく考えたら今の時期にこの話は不謹慎ですね。どうしよう




