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148話 結果発表

「はーい」

扉のノックの音が聞こえてすぐに俺が返事をした。

この二人が緊張でガチガチでまともな会話を出来ないだろうと判断し、俺が代表して返事をした。

「ドドドどうしよう。きっと結果発表だよ」

「今からデニスさんの結果が発表だなんて、大丈夫かな、大丈夫だよね。」

レットとエマちゃんがさっきまでもとても緊張していたはずなのにそれ以上に緊張してしまう。

こんなに緊張している人はなかなか見ることが出来ない。

それも全く関係ないこの二人がこんなに緊張するなんて不思議なこともあるもんだなと他人事のように見ている。

結果を聞く俺は別に落ちてもいいやと楽観的に見ているのが原因なのかもしれないけど。

というより落ちていた方がどちらかといい。

このまま受かってしまったら俺は毎日レットやエマちゃんの世話に時間を取られることになる。

しかしここで落ちてしまえば二人の世話をせずに毎日自己鍛錬に時間を割くことが出来る。

俺的にどちらがいいかと言えば後者に決まっている。

俺は落ちろ落ちろと祈りながら結果発表を聞くことになりそうだ。


扉が開くと外にいたのは俺の予想通りエフィさんだった。

「エフィさんお疲れ様です」

俺はいつも通り挨拶をする。

やっぱり挨拶は大事だ。

「デニスさんお疲れ様です。さらにエマ様、ヴァイオレット様失礼します」

エフィさんは慣れた様に入ってくると部屋中を見回す。

ここで入って来たのがペイズリーさんだったら中にエマちゃんやレットがいるだけで緊張してしまうだろう。

これは頻繁に俺の訓練様子を見にくる様になった久しいのに慣れることはなかった。

まあ普通はそうなのだろう。

エフィさんや俺が特殊なのだろう。

今俺の目の前の席が空いている。

それはエフィさんが入ってくると直ぐに立ち上がり、お茶をいれる。

事前に入れて置いたお茶だがまだまだ暖かい湯気をあげている。

これは事前に準備しておいたものだ。

エフィさんは俺のその動作を見るとエマちゃんとレットの方に目を向ける。

エフィさんの視線を追うと二人というより二人の側に出されているお茶を見ているのだ。

もちろん二人のおちゃんはまだまだ残っており湯気も上げている。

「きちんと学んだことができているみたいですね。」

どうやら俺がちゃんと二人にお茶を出せているのか確認をしたみたいだ。

もちろん厳しいエフィさんが来ることが分かっていた為念入りに準備をしておいた。

この人の前できちんと出来ていなかったらきついお叱りを受けるのだ。

今まで何度お叱りを受けたのか数えたくない。

お叱りを受けるくらいなら事前に念入りに準備しておいた方がマシなのだ。

「きちんと基礎は出来ているみたいですので、今回の侍女試験の結果をお伝えします。」

ここでやっとエフィさんから試験の結果を告げられる。

「つ、ついに結果が。」

「も、もちろん受かっているに決まってるじゃない。心配しなくていいよ」

二人とも結果を聞くのに騒ぎ出した。

「二人とも大丈夫だよ。もう決まったことなんだから今騒いでもなにも変わらないよ」

二人でまた酷く緊張し出したので落ち着かせる。

「デニスさんはなんでこんなに落ち着いてるの?」

落ちた方がいいからなんて言えず、とりあえず「場数が違うから」と答えておく。

「それでは結果を発表します」

ここでやっとエフィさんが結果を伝えてくれることになった。


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