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147話 細やかな仕返し

試験から大体一週間くらい経った。

今俺とレットとエマちゃんの三人俺が侍女の勉強をしていた部屋に集まっていた。

今部屋の空気がピリピリしている。

そのピリピリしていた原因は俺以外の部屋にいる二人だ。

「どうなるかな」

「デ、デニスさんなら大丈夫だよ。いけるって大丈夫だって」

二人は揃ってなぜか緊張をしている。

なぜかこの二人が緊張しているのだ。

「って、なんで二人はここにいるの。今日は私の合格発表だよね。二人は関係ないよね」

そう、俺がこの部屋にいる理由はこの前あった侍女試験の合格発表があるからだ。

合否の結果を今日ここにエフィさんが来て発表してくれるので、俺はその結果を知るために待っているのだ。

なので、この部屋にいる必要があるのは俺だけで、俺と契約しているカミラまでならいてもおかしくないのだがなぜかエマちゃんとレットの二人もこの部屋について来た。

「そんなの今日がデニスさんの試験結果をいち早く知りたいからに決まってるじゃない」

「これでこれからの日程を決めるんだからいるに決まってるじゃない」

二人に結果が出るのはいつになるのか聞かれた時に隠し事がないため言ったのだが。

なぜか二人はその日が近づくにつれソワソワしていた。

「二人は別に専属の侍女さんがたくさんいるんだからいいじゃない」

当たり前のことだがそれなりの身分である二人は専属の侍女さんがいる。

それもかなりの経験を積んだベテランだらけだと聞いている。

それなのになぜそこまで俺を侍女にすることにこだわるのか分からない。

「デニスさんは何も分かってない」

「デニスちゃんは何も分かってないね」

二人は声を揃えて言う。

相変わらず二人は仲がいいな。

「いい?デニスちゃんは可愛い。それはもうとっても可愛いの」

エマちゃんは俺の顔を見ながら言い聞かせるように言う。

まるで小さな子供にいい聞かせる親のようだ。

「そんなデニスさんに自分がお世話をして貰えるなんて嬉しいことだろうと思わない?思うよね!思うよね」

話を合わせるようにレットも同調する。

その二人の息の合い様はまさに阿吽の呼吸というやつだ。

「それにもし私専属の侍女になったらデニスちゃんと毎日楽しく無駄話もできるしね」

「そうそう、確かにベテランの人もいるけど、なんというか融通が効かないし年齢が離れすぎると話が合わないんだよね」

二人は専属の侍女あるあるを話し出した。

なんて羨しい悩みだろう。

普通の人は自分のことは自分でしないといけない。

俺は専属の侍女がいないから毎日侍女の勉強をさせられながら毎日洗濯や学園の勉強をしていた。

そう侍女の勉強をさせられてながらである。

最初の頃どれだけ寝不足になったか分かったものではない。

「まあ私がもし侍女になったら他の侍女さんと同じ様に二人を接するけどね」

これでも侍女の勉強を半年もしていたのだ。

だから侍女の心得は叩き込まれている。

「えーそんなのデニスさんに侍女になってもらう意味ないじゃない」

「そうそう私はデニスさんと仲良くしたいからゴリ押ししたのに」

確かにエマちゃんのゴリ押しだったな。

「もし合格したらよろしくお願いしますね。エ・マ・様とヴァ・イ・オ・レ・ッ・ト様」

俺はここぞとばかりに二人の名前を誇張して呼ぶ。

今まで二人に振り回された俺の細やかな仕返しだ。

「デニスちゃんからそんな他人行儀言い方された。私泣きそう」

お、エマちゃんが絶望した顔をしている。

これは聴きすぎたかな。

「デニスさんがそんな呼び方をしたら一族を根絶やしにします。これは忠告です。」

なんだかレットも恐ろしいことを言っている。

しかしレットよもし俺の一族を皆殺しにしたらエマちゃんまで手にかけると言うことだぞ。

それ分かって言ってるのだろうか。

そうこうしているうちに部屋の扉をノックする音が聞こえてきた。

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