144話 レットとエマちゃん仲良し
どう言うこと?
レットの言ってることが分からない。
ここは妹を自分の侍女にするなんてなにを考えてるんだって言うところじゃないのか。
そう言うと思って二人は喧嘩をすると思っていたのにレットは俺が思っていたこととは違うことを言い出した。
「私もデニスさんにお世話して貰いたいです。朝起こして貰ってデニスさんが作った朝食を食べて、その後デニスさんに身支度をして貰いデニスさんと学園に向かいたい。授業の準備支度もして貰って私が分からないところを補足して貰い貰いながら授業を受けたり。昼食食べながら口についた汚れとかを拭いてもらいたいです。それから午後の授業中に眠くなってウトウトしているところを起こして貰いたいです。それから二人で学園を帰りながら放課後の予定を決めたら夕食もデニスさんの手作りが良いですね。それからちょっと恥ずかしいですけど入浴も手伝って貰って最後寝る時私が寝静まるまで側に居てもらうような生活を送りたいです。」
レットが今までにないくらいに興奮している。
え?レットってエマちゃんが俺を勝手に侍女にしたから怒ってたんじゃないの。
そもそも今言ったレットの生活に俺の休む時間なくない?
その生活じゃ朝レットより早く起きて夜もレットより遅く寝るってことじゃん。
そんなの俺倒れる自信があるよ。
レットの発言に色々と思うところがある。
もう何から言えばいいのか分からない。
「レットちゃんその生活について私からも言いたいことがある」
ここで、さっきのレットの生活を聞いたエマちゃんから言いたいことがあるようだ。
そうださっきのツッコミどころ満載の内容にダメ出しをするんだ。
「その生活さいっっっっこうにいいよね!」
違うそうじゃないなんでエマちゃんまでその話に乗ってるの。
もっとこう俺の体のこととか気遣ってくれてもいいじゃん。
「追加で言うなら寝る前に子守唄とか歌ってくれたりしたら良くない」
「分かります。その時に頭とか撫でてくれたりお腹を叩いたりしてくれたら最高です」
「わかるーーー」
この二人の会話が物凄く盛り上がってる。
完全に今俺がここにいることが場違いな気がしてきた。
ヒートアップした二人の会話を聞き終わるのをしばらく待つことにした。
あの後しばらく話の切れ目になるところを待った。
二人の話はどんどんヒートアップして入浴の時どこから洗って貰うかという会話を細かく話し出したところから諦めかけたが少し切れ目があったので割り込むことにした。
「あの、レット怒ってたんじゃないの?」
確かにあの部屋にきたレットは最初かなり怒っていた。
それなのに今はハイテンションで話をしている。
まるで最初から起こってなかったようだ。
「え?怒ってたよ。だからエマ様の部屋に来たんじゃない」
レットはなにを当たり前なと言わんばかりに言う。
やっぱり俺の思った通りレットは怒っていたよな。
それなのに今はこんなにイキイキとしている。
一体なんなのだろうか。
「だってエマ様デニスさんのことを独り占めしようとしてたじゃない。私だってデニスさんと一緒にいたいのに」
確かに俺はこのまま教育が終わればエマちゃん付きの侍女になっていただろう。
本当は騎士になりたい俺としては本当に不本意なことなのだが。
「レットちゃんが、怒るのも無理ないよ。私が逆の立場だったら怒ってたと思うから。」
エマちゃんも当たり前のように言う。
そんな当たり前のことなのだろうか?
絶対に違う気がする。
「私はそんなすごい人じゃないよ」
俺自身にそんな魅力を感じない。
方やこの国の姫でもう片方は国中で知らない人がいない聖女様だ。
そんな二人が俺を取り合うなんてそんなことあるわけがない。
「「そんなことないね」」
しかしこれの言葉を二人揃って否定する。
そんな即答されたら困るじゃないか。
「エマ様二人でデニスさんにお世話して貰う日程を決めましょう。」
「そうだね。しっかり話し合わないとね」
二人は俺を置いて話し合いを始める。
俺は付き合ってられないと思いそのまま部屋を後にした。




