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143話 エマちゃんの部屋にて

「レ、レットあのね。これはそのえっと」

ここで俺が『ペイズリーさんの話は全部冗談だよ』なんて言っても信じてくれる訳がなく、それに何も言わないのも空気が悪いためなんて言おうか悩んでしまう。

「つまりエマ様は自分の妹であるデニスさんに自分の世話をさせようと、自分の召使にしようとしている訳ですね」

「そうだけど、そうじゃなくて。レットに誤解して欲しくないんだけど」

レットとは一年近い仲だがそれでもレットが怒っているのが分かる。

それもよくある怒りではなく今まで見たことがないくらいの怒りだ。

そもそもレットが怒ることところなんてあまり見たことがない。

日頃ソラ君がレットの部屋を荒らしたり花瓶を落としても注意はするが怒ることはないのだ。

この前レットが楽しみにしていたおやつをソラ君が食べた時も怒っていなかったはずだ。

そんなレットが見るからに怒っている。

言葉の節々に棘がある、

これは本当にやばいやつだ。

「レットとりあえず落ち着いてね。とりあえず部屋の中にどう?お茶入れるよ」

きっとお腹一杯になれば眠くなるはずだ。

寝たらきっと忘れて大丈夫だろう。

「そのお茶ってデニスさんが入れるんでしょ。デニスさんはエマ様の侍女なる勉強してるんだもんね。そのために美味しいお茶入れる練習してるよね

この返答は予想していなかった。

別にレットに出すお茶は俺が入れてもいいのだがおそらく侍女の先輩である二人がそれを認めないだろう。

王族の人に出すお茶を下手に素人に入れさせる訳にはいかないとかいいそう。

「とりあえず行くよ」

ついに怒りが頂点に達したのかレットが俺の手を掴んだ。

「え?ちょっとお、じゃなくて私にも予定が」

「すみません。デニスさんお借りします」

「はい、大丈夫ですよ」

レットのお願いをエフィさんは悩む素振りもなく了承した。

その声を聞くとすぐにレットは俺の意見など聞かず俺を引っ張りながら走り出した。


今レットは扉をどんどんと乱暴に叩く

「エマ様あけてください。話があります」

レットが王族と思えない行動をしている。

俺は頭の中でそんな先輩の部屋のドア乱暴に叩いたらいけないよだとか近所迷惑だよとか色々考えているが言葉に出さない。

別に現状が飲み込めていない訳ではないが今のレットはなんというか暴走状態な気がする。

残念ながら暴走しているレットを止める方法が思いつかないから放置しているだけだ。

「はいはーいってレットちゃんどうしたの」

エマちゃんは部屋の中にいたみたいですぐに扉を開けた。

エマちゃんが部屋の中にいてよかったのか悪かったのか今からのレットとエマちゃんの話し合いで決まるのだろうが俺にはどうしようもない。

「エマ様デニスさんの件でお話があります」

レットはエマちゃんへの挨拶などをせずに真っ直ぐに言う。

いつもだったらなんらかの断りを入れるレットが断りを入れずに話を切り出すなんて珍しい。

きっとそれだけ伝えたい思いがあるのだろう。

「レットちゃんにしては珍しいね。それにデニスちゃんの格好似合ってるよ」

そういえばエマちゃんに俺が侍女服を着ているところを見せてなかったな。

初めてこの格好を見たエマちゃん俺の服装を下から上まで余さず見る。

そんな他の人と同じ格好のはずなのに何が違うんだろうか。

「私が言いたいことはただ一つです」

レットはエマちゃんの顔を逸らさずにしっかり見る。

ここからこの二人の口喧嘩が始まると思うと俺はどうしても見たくない。

妹のように思っているエマちゃんと大事な友達のレットが喧嘩している姿なんてみたくないのだ。

エマちゃんも何を言うのか気になるようだ。

俺とエマちゃんがレットを見る。

「なんでこんな素敵なこと私に相談してくれなかったんですか」



どう言うこと?



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