142話 秘密の発覚
「それでデニスさんはここで何をしているの」
やっとのことでペイズリーさんが復活したが今度はレットに現状を報告する必要が出てきた。
「さっきも言ったでしょ。侍女服を着てみたくなったんだよ。ほら私も女の子だからいろんな服を着てみたかったんだ」
とりあえず思いつく限りの言い訳を並べる。
レットにはこの二人と話をさせる話をさせるわけにはいかないのだ。
「デニスさんにしては女の子らしい願望だね。まるで作り話みたい」
「うっ」
確かに俺は今まで服装にこだわりを持ってこなかった。
レットやエマちゃんと買い物に行っても二人とカミラは一緒に服を見て楽しんでいても俺だけは全く興味を持たなかった。
そして俺が選んだ服は実用的な装飾の少ない動きやす服ばかりなのに対し他の三人が選ぶ服は対照的に装飾が多くて動きにくいものばかりだ。
「ほら、侍女服って実用的なものでしょ。だから実際に着てみてどんな感じか見てみたかったんだ」
なるべく俺らしい言い訳を並べる。
正直精神年齢が三十歳近い俺が八歳の子供相手に大人気ないと思われるダロウが引けない戦いなのだ。
「だからでも私一人だとこの服の着方が分からないから手伝って貰ってたの」
実際最初この服を一人で着れなかったのは本当だ。
なるべく信頼性がある説明をする。
完璧な説明でレットは反論出来なくなっている。
よしこのままレットをこの部屋から追い出して夜にでもレットの部屋に遊びに行けば大丈夫かな
「ならデニスさんはそこの人になんで採点されているの?」
「え?」
ここまで黙っていたレットがいきなり質問をする。
ずっと黙っていたため安心していた時の言葉に俺は完全に口を閉じてしまった。
「さっき減点ですよ。って言われていたよね。ただ侍女服を着るだけなら減点なんてされないよね。どういうこと」
レットはペイズリーさんを指差しながら言う。
ペイズリーさんそんなこと言ったっけ?
俺は頭を捻ると確かにペイズリーさんは言っていた。
レットそんなことまで覚えてるのか、本当に記憶力すごいな。
「それにデニスさんは知らないみたいだけどこの侍女服は全部国が管理して国が認めた人にだけ渡してるんだよね。それでこの学園に子供用の侍女服を持っている人は誰もいないはず」
「え?まじで」
そんなこと知らなかった。
侍女さんが俺の体を測ってすぐに用意されたから簡単に用意できるのだと思っていた。
「そうだね。だからそんな着てみたいってだけで侍女服を着ることなんてできないよ」
やばい、まさかこの国にそんなルールがあったなんて知らなかった。
俺が言い訳を考える。
考えるがどうしてもいい言い訳を思いつかなかった。
するとレットはペイズリーさんの方を見る。
「ここで何をしてたんですか」
レットは笑顔で聞く。
しかし最初からレットの立場を知っている平民は全て正直に話してしまうのは当たり前だ。
「はい、エマ様からの指示でここでデニスさんに侍女の教育をしています」
あー完全に終わったと思った。
レットに知られたくなかったことを全て言われてしまった。




