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141話 フリーズ

「ペイズリーさーん、返事してくださーい。ぺ・イ・ズ・リーさーん」

ペイズリーさんが固まったまま返事がない。

今までレットと俺の関係を知って驚く人や突然畏まる人はいたがこんな症状は初めてだ。

今までの人は少なくとも会話は出来たのですぐに事情を説明出来たが、今の彼女は話しかけても返事がない。

こうなるとどうすればいいのか分からない。

とりあえずペイズリーさんの体を揺さぶる。

「ペイズリーさん返事をしてください」

ここまでしても返事をしないままだ。

「レットどうしよう。ペイズリーさんが」

どうすればいいのか分からず俺は近くにいたレットに助けを求めた。

今の俺ではこれ以上の手は思いつかない。

しかしレットなら新しいアイデアを思いつくのではないかと思った。

「そんなこと言われても私はこの人に会ったことないし」

しかしレットも新しいアイデアを思いつかないみたいだ。

どうしようどうしようと俺は一人で慌てていると中からまた新しい声が聞こえてきた。

「二人でどれだけ時間がかかってるんですか。早く続きをしますよ。おや、これはこれは」

あまりにも俺たちが遅いためエフィさんも様子を見にきたみたいだ。

「ヴァイオレット様この度はいかがされましたか」

流石エフィさんだ。

レット相手でもそこまで狼狽えないみたいだ。

「私の友達に会いにきました。」

「友達ですか」

俺を置いて二人は会話をすすめる。

しかし今の俺にそんなことを気にする余裕がない。

「ペイズリーさんペイズリーさん返事をしてください」

俺はとりあえず体を揺らす。

全く返事をしない彼女が心配で仕方ないみたいだ。

「デニスさん。そんなに狼狽えてるとみっともないですよ。」

現状をいち早く把握したエフィさんがペイズリーさんに近づく。

「とりあえず離れてください」

俺はエフィさんの言う通り離れる。

しかし俺はずっとペイズリーさんのことを心配そうに見ている。

するとエフィさんはペイズリーさんの耳元で、何かを呟く。

するとペイズリーさんが再起動したように飛び跳ねた。

「すみませんすみません大丈夫です。言わないで下さいお願いします。大丈夫ですから平気ですから」

驚いたように早口で喋っている。

こんなペイズリーさんは見たことがない。

しばらくボーとするとペイズリーさんはやっと俺を方を向く。

動きはまだぎこちないがそれでも大丈夫なようだ。

「デニス様今までの失礼な言動申し訳ありません出した。今までの失礼はどんな罰でも受けます。」

ペイズリーさんが突然かしこまり出した。

この人なんて忙しい人なんだろう。

「そんなペイズリーさんに失礼なことなんてされてません。ただただ丁寧に教えてくれてただけじゃないですか。頭を上げてください」

いきなり頭を下げられてこれからも彼女からいろいろと教えて貰わないと行けないのにこんな態度では教えて貰えない。

「いえ、今までヴィオレット様のご友人だと知らずにさらには侍女の勉強などさせてしまいました。本当は私たちの世話を受ける側の方なのに世話のしたかを教えてしまうなんて御無礼お許し下さい。」

あーどんどんレットに知られてはいけないことをこんなに

ペイズリーさんを止めればいいのかそれともレットに言い訳をすればいいのか分からない。

少し考えた結果ここは、これ以上ペイズリーさんになにも言わないようにしよう。

これ以上傷口を広げられたら困る。

「私は平民なので、どう頑張っても世話する方です。世話されることなんてないですからペイズリーさんと同じですから」

ここまで言うとやっとペイズリーさんは納得してくれた。

「私も本日はデニスさんの友人として来てるのでデニスさんと同じ扱いでかまいません」

いやレットそれは無理でしょう。

仮にも王族であるレット相手に俺と同じ扱いなんて出来ないだろ。

ペイズリーさんは渋々と言ったように立ち上がる。

「それでデニスさんはここでなにをしてるの」

そうだったここでレットに今の状況を説明しないと行けなかったんだった。



この話で何度ペイズリーさんって言ったんでしょう

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