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138話 侍女の勉強開始

「ハアハアハア」

俺はレットを振り払おうと必死に走った。

レットと俺と朝の訓練メニューのおかげで元からの体力と力が違う。

おかげでレットは俺についてくることが出来ずレットを撒くことができた。

今俺は昨日言われた通りエマちゃんの部屋の横にいる。

ここは空き部屋のようで今日はここで侍女さんの仕事を学ぶことになっている。

本当は学ぶ気なんて全くないのだが気がついたら外堀が埋められてしまっており断れないところまで来ていた。

そしてこの時間約束をしていた人を探す。

流石の俺も一人でここにくる勇気がないため頼もしい仲間を呼んで置いたのだ。

部屋の前でキョロキョロと人を探していると待ち人が来た。

「あれ早いね」

聞き慣れた声に安心し聞こえた方向に顔を向ける。

そこには俺の契約しているカミラがいた。

前世では聖女をしていたカミラだ。

流石に侍女としての知識は少ないだろうが世話をして貰っていたはずだ。

きっと頼もしい仲間になってくれると思う。

少なくとも女歴八年の俺よりもわかっているはずだ。

そう思ってカミラに頭を下げた。

それも全力で。

最初の方はカミラもめんどくさいと思ったのか拒否をされた。

前世がバレる前だったら断ることなんてないはずのに、前世を白状したらこうなるんだよな。

隠し通すことは出来なかっただろうがちょっと恨めしく思う。

結局何度も土下座をすることでなんとか了承してくれた。


「それじゃあ入ろうか」

俺はカミラにそういうとドアノブに手をかけた。

しかしなかなか回すことが出来ないでいる。

もしここで扉を開けてしまったらこれから俺の侍女生活が始まると思うとどうしても開けられない。

どうしてこうなったのだろうと頭を悩ませる。

だって元々俺は騎士になりたかったのであって、侍女になりたかった訳ではない。

それなのになんで今日から侍女の勉強をしないといけないのだろう。

俺の頭の中はずっとこんなことを考えていた。

「もう何してるの。ほら入るよ」

そう言うとカミラにドアノブを回せれて扉を開けられてしまう。

扉を開けるとこの前見た侍女さんが二人既にいた。

「あ、えっとあの」

心の準備ができていなかったためなんと言えばいいのか分からないでいる。

「デニスさん来ましたか。」

一人の侍女さんが最初に俺の方を見る。

既に準備ができているみたいでその手には小さなサイズの侍女服を持っている。

まるで小さな子供用の用な服だ。

「エフィさん最初は自己紹介をしてませんよ」

もう一人の侍女さんもう一人を注意する。

侍女さん二人は俺の名前をしているが俺は侍女さんの名前を知らない。

今まで何度も会っているが自己紹介をしたことがないのだ。

「そう言えば忘れてました。私の名前はエフィです。家名はありますがエフィと呼んでください」

エフィさんは自己紹介をしてくれたがわざと家名を隠したように言う。

なんだか引っかかるがこのままにしておこう。

「私の名前はペイズリーです。私は平民出身ですので、家名はありません。気軽にペイズリーとお呼びください」

もう一人の侍女さんも自己紹介をしてくれた。

この人はかなりフランクに見える。

この人には秘密はなさそうだ。

「デニスです。よろしくお願いします。」

「同じくカミラ」

俺は自己紹介をするがカミラはあまりとても簡素だ。

失礼な気もするが侍女さん二人は気にしていない見たいだから大丈夫だろう。

「早速デニスさんには勉強を始めてもらいます。最初はこの侍女服に着替えて貰います」

そう言うとエフィさんは持っていた侍女服を俺に渡してくる。

やっぱりその子供用の服は俺の用だよね。

「その服を着ることは出来ますか?」

俺が受けとりながら服を見ていると今度はペイズリーさんが心配してくれる。

こんな服を着たことがなかったため俺もどう着るのか分からない。

「すみません。わかりません」

ここは正直に言うことにした。

「今日は私が手伝いますが、今度から一人で着れる様になってくださいね」

俺は頷くとゆっくり説明をしながら着せてくれたため俺の最初の仕事は侍女服の着方を覚えることから始まった。


どんどんデニスちゃんの女子力が上がっていきます。


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