表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

138/153

137話 レットからの追求

「ハアー」

俺は机に突っ伏しながらため息をつく。

「デニスさんどうしたの?今日一日元気なかったみたいだけど」

レットが俺のことを心配してくれる。

こう言う時にレットはいつも俺のことを心配してくれる。

なんていい子だろう。

今日の授業も終わり放課後になった。

しかし放課後になったことが憂鬱なのだ。

「んーならデニスさんの元気がないみたいだからいいこと教えてあげる」

俺の元気がないように見えるからか俺の励まそうとしてくれる。

こう言う時は本当にレットは何かを隠しているのだ。

「なんとね。食堂で新しいデザートが出たんだって、今日食べに行こうよ」

レットは笑顔で俺のことを誘う。

なんていい子だろうと思うのだが残念ながら今日はその誘いに乗ることが出来ない。

「ごめん。しばらくレットと遊べない」

せっかく誘ってくれたレットには申し訳ないと思いながら誘いを断る。

まさか俺に断られると思っていなかったのかレットが驚く。

今まで俺がレットの誘いを断ったことがないため驚くのも当然だ。

「な、もしかして今日はエマ様の部屋の掃除の日だっけ」

俺の生活リズムを知っているレットは俺の予定を聞く。

そんなにびっくりすることだろうか。

「エマちゃん関係なんだけど、ちょっと用事が」

俺がなんて言えばいいのか分からず、はぐらかす。

別に正直に言ってもいいのだろうけどなんて説明をすればいいのかと考えてしまう。

もし間違ったふうに伝えてしまったらまたレットが激怒してしまう。

俺にとってエマちゃんは大事な家族で、レットは大事な友達だ。

俺の要望だが二人には仲良くして欲しい。

「なら一体何をするの」

レットはなかなか俺が答えないためレットが再度聞いてくる。

俺は必死になんて言おうか悩む。

『エマちゃんの侍女になることになったんだ。だからその訓練に行かないと行かないといけないんだ』

これは絶対に誤解される。

『エマちゃんと特訓するんだ。』

完結だがこれならレットは誤解しないだろう。

しかしこれなら私もすると言ってついてきそうだ。

レットはこの前の魔術大会でエマちゃんに負けてせいか最近訓練に力を入れている。

だからレットも確実についてくるだろう。

そうなるとなんの訓練をするのか正直に言うしかない。

そうなるとまたエマちゃんとレットが対立しそうだ。

なら『今日はカミラと二人で遊びに行くんだ』

これならきっとレットはついて来ないだろうがさっきレットにエマちゃん関連と言った。

レットは頭がいいからきっとその矛盾点に気づくだろう。

すぐに反論が出来なくなって正直に話てしまいそうだ。

結果なんと言えばいいのか思いつかない。

「そんな私に言えないことないの?」

なかなか答えない俺に業を煮やしたのかレットは再度聞いてくる。

しかし何もいい案が出てこず口を開くことが出来ない。

こうなったら手段は一つだけだ。

俺はパッと立ち上がると何も言わずに教室の外に向かって走り出す。

こうなったらレットに何も言わずに逃亡だ。

「あ、まってーデニスさん」

レットは俺を呼び止めようとするがそれを無視して走り回る。

心が痛むが仕方がない。

俺は心の中で涙を流しながら走り続けた。



最近の私も秘密が家族にバレて逃げ回っています。

デニスと同じですね。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ