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123話 レットの朝練

俺が参加した剣術大会が終わり今日から魔術大会が始まる。

剣術大会の翌日でも俺たちの朝練は休むことなくしていた。

俺はテオ君とレットには今日は休んでもいいと言っていたのだが二人とも絶対に参加すると言い張ったため今日も一緒に訓練している。

本当はレットは魔術大会に参加するため今日は休みにしたほうがいいと思うのだが俺もテオ君も大会で試合がある日でも朝練していため自分も絶対にすると言って引かなかったのだ。

「カミラさん次お願いします」

「レットちゃんいくよー」

レットとカミラの訓練を見てみると今日はカミラが打った魔法をレットが魔法が別の魔法で打ち返す訓練をしていた。

確かにこれは実践向けの訓練だと思う。

一方的に自分だけが魔法を打ち続ける状況なんて本当の戦場に出たらないだろう。

魔法が使えるのなら魔法で使えないのなら剣術なり武器を使って反撃してくるのが当たり前だ。

それを知っているカミラが大会に出ると決まった日から魔法の精度や他の魔法を覚える訓練を一旦やめて迎撃する訓練を始めたのだ。

最初の頃は全く迎撃が出来なかったレットだが最近は殆ど迎撃できるようになったと思って見ている。

俺も訓練を手伝うと言ったのだが魔法をつかえない俺では魔法は全て剣で弾いて突進するか避けるかのどちらかだ。

今回の大会ではそんな相手はいないため俺の手伝いは拒否された。

私もデニスさんみたいに優勝しちゃうかもな〜。そしたらデニスちゃんとお揃いかな〜」

カミラとの訓練で手応えを感じたのかレットはご機嫌だ。

しかしその考えは危険だ。

「レット戦いをそんなに舐めてると痛い目合うよ」

テオ君も同じように自分の実力を過信して負けた。

レットも魔法を習い始めてまだそんなに長い時間が経っていない。

俺の予想ではテオ君と同じようにある程度進んで負けるだろう。

「わかったー気をつけるねー」

しかしまだ実際に戦ったことがないレットは自分の実力に自信があるのかあまり俺の話を聞いていないようだ。

レットはご機嫌のまま朝練の時俺にボコボコにされたテオ君を起こしにいく。

ちょっとうざい絡み方をしているためテオ君も災難だ。

「カミラはレットのことどう見てる」

レットがテオ君に絡みに行った時にレットになるべく聞こえないように聞く。

ここは実際にレットとの訓練をしているカミラに意見を聞くべきだろう。

「レットちゃんは確かに天才だよ。ルークとは大違い」

この場には俺たちしかいない。

レットやテオ君に聞こえないように話ているため俺のことを前世の名前で呼んだのだろう。

そのためカミラは毒舌だ。

俺に精神的ダメージを与えてくる。

「でもやっぱり考え方や経験がまだまだ子供だね。だぶんこのまま大会に出ても一回戦か二回戦で負けるんじゃないかな」

カミラも俺と同じようにすぐに負けると予想しているみたいだ。

「それでも止めないんだ」

レットはまだまだ子供だ。

一度嫌なことがあるとそのまま魔術に苦手意識を持ってしまうかもしれない。

そうなったらせっかく魔術の才能があるのにその才能が発揮されなくなってしまう。

「何事も経験だね。時にレットちゃんはここで魔術を辞めても人生にそこまで違いはないから」

カミラの意見に賛成だ。

レット自身はお姫様だ。

お姫様が自分で魔術を使うような事態になることなんて本当にどうしようもない時だけだ。

そうなったらレット一人が魔術を使えてもそこまで違いがない。

もちろん使えて困ることはないがレットの人生で魔術を使う時なんてないだろう。

なら早いうちに挫折を味合わせてそれでも魔術を続けるなら続けてもいいだろうし、それでダメなら別のことを頑張ればいい。

レットはまだまだ若いし時間もある今から別のことを始めて遅いことはないだろう。

まだまだ大会は続きます。

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