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122話 優勝のお祝いと小さな喧嘩

「デニスちゃん(さん)おめでとう」

俺が戻るとデニスちゃんとレットが飛びついてきた。

おれは驚いたが回避するとエマちゃんはともかくレットが怪我をしそうだったためそのまま受け止めることにした。

「エマちゃん、レットありがとう。でもいきなり飛びつくと危ないよ」

二人同時に飛びついてきたため受け止めることが出来ずに俺は倒れてしまった。

遠巻きでカミラとテオ君が来ている。

俺が試合に行くまでテオ君はいなかったため俺が試合をしている最中にきたのかな。

「デニスちゃんおめでとう。思ったより苦戦したね。鈍った?」

試合を見ていたであろうカミラは俺を祝いながらおちょくってくる。前世を知っているカミラからしたら子供相手にこんなに苦戦するとは思っていなかったのだろう。

確かに俺もこんなに苦戦するとは思わなかった。

「確かに鈍ったかな。もっと訓練頑張らないと」

苦戦したことに否定することが出来ないためそのことを肯定する。

「いやいや、デニスの年で大会で優勝するなんてかなり凄いことだから。普通出来ないから」

テオ君は俺とカミラの会話を聞いてツッコミを入れる。

前世を知らないテオ君からしたら八歳の俺が優勝すること自体凄いことだろう。

おそらくテオ君も俺の優勝を祝いにきてくれたのだろうが、言いづらそうにしている。

テオ君はボロ負けしたヴィクター先輩に結果的に怪我もせずに勝ったのだから悔しいのだろう。

そのこともありテオ君は何かいいたそうにしているがなかなか口を開かない。

「テオ君も来てくれてありとう。勝ったよ」

テオ君の言葉を待ちきれず俺から口を開いてしまった。

「デニスおめでとう。俺の仇を打ってくれてありがとう」

しかしテオ君は素直に感謝をする。

こういう時に素直に感謝できるなんてなかなか出来ないことだ。

昔あったばかりの頃俺のことを二人がかりでいじめようとしていたとは思えない。

彼も一年でかなり成長したみたいだ。

「私は約束を守る人だからね」

俺はドヤ顔をしながら返事をした。

本当は胸を張りたかったのだがエマちゃんとレットに押したおされたままだったため出来なかったが。

「幼女二人に押し倒されている人には言われたくない」

俺の姿を見たカミラも俺の姿にツッコミを入れる。

カミラから見たら成人した男が幼女二人に押し倒されている変質者だろうが、側から見たら幼女三人が戯れているようにしか見えないだろう。

犯罪ではないといいたい。

「デニスちゃんデニスちゃん早く私の部屋に行こうよ。今日はお祝いだよー」

エマちゃんは立ち上がると俺の手を引き始めた。

今日はめでたい日だ。

子供ばかりの大会とはいえ優勝したのだから俺も羽目を外したい。

それにみんなが付き合ってくれるのならとっても嬉しい。

「それはダメです。今日は私の部屋でお祝いするんです。」

しかしエマちゃんの返答にレットが反発する。

最近二人はあまり仲良くないな。

「レットちゃんお姉さんの言うことをきいた方がいいよ」

エマちゃんは俺の手を引っ張りながらレットと喧嘩をする。

「だめです。エマ様は家族として昔から一緒にいるんですから、付き合いの期間が短い私に今日は譲ってください」

レットも立ち上がると俺の空いている手を引っ張る。

「友達なら家族である私にきょうは譲って」

エマちゃんは俺の手をさらに強く引っ張る。

どんどん二人は俺のことを今日はしから引っ張り合うためかなり痛い。

そろそろやめてくれないかな。

「二人とも喧嘩しないの。それに二人のどちらかの部屋にいくとテオ君が参加出来ないでしょ」

二人の引っ張り合いがエスカレートし始めると流石にカミラが助け舟を出してくれる。

カミラに言われると二人は何も言い返せなくなり俺を引っ張るのをやめた。

確かにせっかくならテオ君ともお祝いをしたい。

今日はテオ君の仇を打った日だ。

「せっかくだから公園の花を見ながらお祝いしようか」

カミラの意見を結局二人は納得して公園で花を見ながらみんなでお祝いをした。


やっぱりカミラはみんなのお母さん的ポジションです。

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