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118話 決勝戦①

ついにヴィクター先輩と戦う日が来た。

残っているのが四人しかいないためすぐに戦うことになると思っていたがなんと決勝での戦いになった。

俺もヴィクター先輩も準決勝も特に苦戦せずに勝った。

俺はヴィクター先輩を意識しているのだがヴィクター先輩は俺のことを意識しているのだろうか。

こんなに意識しているのに向こうには全く意識されていないとなると落ち込む。

年齢・・精神年齢は俺のほうがかなり上のはずなのに、子供にいいように扱われていると思われると相当落ち込んでしまいそうだ。

「デニスさん、緊張しないの」

俺が全く別のことを考えているとレットに声をかけられた。

レットの顔を見るとなぜかレットが緊張している。

これを見るとどっちが試合をするのか分からない。

「緊張してない訳ではないよ。ポーカーフェイスをしているだけ」

これは本当のことだ。

全く緊張をしていないわけではないが今まで負けられない戦いは何度もあった。

ほとんど全ての戦いは前世での戦いだからレットには言えないが。

「デニスちゃん、別に緊張しなくていいのに。ヴィクター君相手なら簡単に勝てるよ」

遠征から帰って来たエマちゃんは仕事を全て終わらせて俺の試合を見に来ている。

しかしエマちゃん。決勝戦まで残っている人が簡単に勝てるわけないじゃないか。

「まあデニスちゃんが負けるわけないんだからそんなに緊張しなくていいんだよ」

俺とエマちゃんが話している間もレットの緊張は治らないようでカミラが落ち着かせている。

カミラは決勝戦になり始めて観戦に来た。

今まで観戦に来なかった理由は花壇の世話があったかららしい。

決勝戦はソフィアが遠征から帰って来て世話が必要なくなったため暇になり見にきたらしい。

完全に暇つぶし扱いだ。

カミラは俺の前世について話して以来俺の扱いが本当に雑になったというか前世の幼少期のようになったというか。

でもこんなふうに接してくれると言うのは本当に久しい人だけのようにな気がして嬉しく思ってしまう俺がいる。

「カミラさんは信じてるんだね」

レットへの励ましの声が聞こえたのかエマちゃんが嬉しそうに言う。

エマちゃんにはカミラが俺が勝つことを完全に信じていると思っているのだろう。

本当は俺の前世を知っているため子供に負けるなんて思っていないだけなのかも知れないが。

「そんなことない。でもここでデニスちゃんが負けたら剣術を辞めさせて侍女の勉強でもさせようかな」

「いいねそれ。その時は私のお世話してもらおうかな」

おそらくカミラが冗談でいったことをレットが乗る。

このところレットは俺のことを侍女にしようと計画している節がある。

だがこの間はその言葉に過剰に反応していたエマちゃんだが今は全く反応しない。

それどころか何か思うところもあり、今日一日中ニヤニヤしている。

「エマちゃんどうしたの?なにかあった?」

こんなにご機嫌なエマちゃんは珍しい。

ご機嫌なエマちゃんはよく見るのだがこんなに上機嫌なところはそうそう見ない。

きっと何かいいことがあったのだろう。

「なんでもないよ〜。デニスちゃん頑張って。絶対勝ってね」

理由は教えて貰えなかったが応援してくれた。

「デニスさん頑張って下さい」

「いってらっしゃい」

するとつられるようにレットとカミラからも声援をもらった。

いやカミラは何か違うか。

「うん、勝ってくるね」

俺はそう言うとグラウンドに向かった。

ついに始まります。

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