113話 必勝法の説明
「エマちゃんってそんなに強かったの」
レットに言われて俺は困惑している。
エマちゃんが学園一の剣士だなんて今でも信じられない。
「別にそんなことないんじゃない。ほらこの学園の子達って皆貴族だからもやしっこが多いんだよ」
「そんなことないと思う」
確かにこの学園の生徒はどちらかといえばもやしっこが多いきがするがそれでも家の方針で剣術を習っていた生徒も一定数はいるだろう。
確かテオ君も剣術を習っていたと言っていた。
「エマちゃんって剣術の訓練をしているところ見たことないけど隠れてしてたの」
そう思わなけれんばこの学園一の実力だなんて認めることができない。
「え?したことないよ。私が剣を握る時は剣術の授業の時だけ」
しかしエマちゃんはそれをキッパリと否定する。
そうだよね。今まで一度も訓練しているところを見たことない。
朝もギリギリまで寝ているし放課後も俺と一緒にいることが多い。
そんな人が練習をする時間はない。
本当の天才っているんだな。
「それでデニスちゃんはヴィクター君のこと聞きたいの」
俺は才能の差に絶望しているとエマちゃんが本題を聞いてきた。
俺はヴィクター先輩にどうしても勝ちたい理由を説明する。
もちろんテオ君のことも含めて全てだ。
「ふーん、じゃあデニスちゃんはヴィクター君に勝つ方法を知りたいんだ」
「そう。だから癖とか気をつけるところとか教えて」
流石エマちゃん俺のお願いをすぐに理解してくれた。
「それなら任せて、これさえ気をつければ絶対ヴィクター君には絶対に勝てるよ」
エマちゃんは断言する。
きっと必勝の作戦があるのだろう。
そんな方法があるのなら先にテオ君に教えれていればよかったかな。
「それじゃあ説明するよ。まずヴィクター君が最初に攻撃してくるでしょ」
エマちゃんは身振り手ぶりで説明をしようとする。
なんだかその行動一つ一つが可愛らしい。
「だから攻撃してくる前にえいってやれば簡単だよ」
え?一体どうゆうこと。
途中の説明を聞き逃したのかな
「ごめんエマちゃんちゃんと聞いてなかったみたい。もう一回最初から説明お願い」
俺はエマちゃんに謝ると今度こそ聞き逃さないように集中をする。
「もうデニスちゃんしっかりしてよ。ならもう一回説明をするよ」
エマちゃんはさっきと同じように動く。
「まず攻撃してくるでしょ。その攻撃の前にえいってやるの」
エマちゃんはさっきと同じ説明をする。
しかしエマちゃんの説明では全く理解することができなかった。
「ごめんエマちゃんわからない」
今の説明だけだと全く理解ができない。
「あーならこれならどう」
どうやら別の方法があるみたいだ。
きっとそっちなら理解できるだろう。
「攻撃してきたところをスーっと交わしてビュンってするんだよ」
また同じように身振り手ぶりで説明してくれるが先ほどと同じく全く理解することができなかった。
「ごめんそっちも理解できない」
「えーまたー。デニスちゃんは理解する努力が足りないよ。レットちゃんなら分かったでしょ」
俺が全く理解できないことを非難しながら話をレットにふる。
しかしレットもエマちゃんの説明を理解できていないため首を横に振った。
「すみません。私も理解することができません」
おそらく今の説明で理解できる人はいないだろう。
その後もいくつかエマちゃんに説明してもらったがどれもビュンやスーやダンなどの説明だらけで全く理解することが出来なかった。
「もーなんで理解してくれないのー」
最終的にはエマちゃんが説明するのに疲れて文句をいう。
しかし今の説明を聞いても俺もレットも理解することが出来なかった。
「もうこうなったら仕方ない。私がヴィクター君の戦い方をしてあげるからデニスちゃんはそれで練習をしたらいいよ」
エマちゃんがまた意味のわからないことを言い出した。
エマちゃんは天才肌です




