111話 エマちゃん帰宅
俺は慌てる。
周りの人たちは皆膝をついているし、頼みの綱であるレットは息を切らして話せる状態ではない。
俺はどうすればいいのか分からない。
とりあえず俺も他の人たちと同じように膝をつけばいいのだろうか。
それをすると今度はレットに怒られそうだな。
でもこのまま立っていたら次は他の周りの人に怒られそうで怖い。
一体どうしたらいいのだろう。
「はーはーエマ様は?」
なんとか話せるようになったレットはエマちゃんのことを聞く。
元々ここにきた理由はエマちゃんに会うためと言ってきたため仕方ないだろう。
「この騎士さんに聞いたらダメって言われた。仕方ないから寮に帰った時に出直そうかと思う」
「そうなんだ。騎士さんってケチだね」
俺の話をきいたレットは騎士達に文句を言おうとする。
「仕方ないよ。それがこの人たちのお仕事なんだから。じゃましたのは私だから」
そんな誰だか分からない人を簡単に通していたらそれこそ心配になる。
俺はレットと二人で寮の方に歩き出そうとする。
「待って、待ってください。すぐにエマ様の元に案内します」
俺は仕方なく寮に帰ろうとすると先ほど話しかけらた騎士に呼び止められた。
「ヴァイオレット様のお知り合いということであれば問題ありません。すぐに案内します」
レットのおかげで俺の身元の保証ができたみたいだ。
「レットって本当にすごいね」
まさかレットがいるだけで俺の身元が保証されるとは思っていなかった。
それにレットはここではまだ自己紹介もしていないのに顔を見るだけでここにいる全員がレットのことを知っていた。
「当たり前でしょ。これでも私は王族だからね」
レットは胸を張って答える。
見た目はまだまだ小さな子供なためとても微笑ましく見える。
「でもレットって王族としての権利みたいなの使ってないよね」
俺の勝ってなイメージだが王族は自分で動いたりせず侍女や執事に指示を出しているイメージだ。
しかしレットは全くそんなことせず自分でできるものは自分でやっている。
他の人相手に偉ぶったりしているところも見たことがない。
「別に私が何かしたわけじゃないから。それでも私の生活を支えてくれているから将来は国民のために何かしたいと思っているよ」
たまにレットと将来の話をするがレットはしっかりとした考えをしていて本当に八歳なのか不思議に思う。
もしかしたら俺と同じように転生しているのではないだろうか
「そんなことより早く行くよ」
レットと話しているうちに騎士が少し離れていた。
俺とレットは慌てて騎士の元に急いだ。
「エマ様、ヴァイオレット様と侍女様がご用途のことです」
騎士は一つの馬車に止まると中に向かって声をかけた。
しかしいつの間にか騎士の中で俺は侍女になっていた。
まあ普通に考えて周りの騎士達が知らない俺がレットの友達だと思われないか
「レットちゃん通したんだろう。どうぞー」
すると中からエマちゃんの声がする。
騎士に扉を開けてもらい中に入る。
そこには久しぶりにみるエマちゃんがいた。
俺たちの姿を見たエマちゃんは少し怒りを感じられる。
一体どうしたのだろう。
「レットちゃんいきなりどうしたの?それとデニスちゃんが侍女ってどうゆうこと」
エマちゃんは俺が侍女と紹介されて怒っているようだ。
「エマちゃん別に私は気にしてないよ」
俺は侍女と紹介されたことに怒っていないことを伝える。
「レットちゃん、うちのデニスちゃんのことを勝ってに侍女にするのやめてくれる。」
俺が気にしていないと言ったがそれでもエマちゃんは納得していないようだ。
「デニスちゃんは私のだから、レットちゃんには譲れないよ!!!」
「ってそっちかーーーい」
ついつい俺は叫んでしまった。
エマちゃんはデニスちゃんのことが大好きです。




