105話 仲直り
俺とレットとオマケの三人で公園に来た。
「カミラ勝ったよー」
俺はそう言いながらカミラに近づく。
カミラは公園で花の世話をしていた。
普段はソフィアがしているのだが今国の依頼でエマちゃんが遠征に行っている。
エマちゃんが行くと言うことはソフィアもついて行っている。
今までは遠征の間は仕方なく誰にも世話を任せずに放置していたみたいだ。
しかしカミラが来た事でソフィアはカミラにお願いして遠征に言った。
基本的にソフィアはカミラのことを信頼している。
ソフィアはエマちゃんのことをただの子供として扱っているがカミラ相手には対等に接する。
前世の時からソフィアはカミラの信頼していた。
それは今も変わっておらずここの花を任せていることもその証拠だ。
「あら、デニスちゃんお疲れ、試合はどうだった」
カミラは花の知識も豊富なようで突然お願いされたのにも関わらず戸惑いもせずに世話をしていた。
「勝ったよ。四回戦進出」
俺はちょっとドヤ顔をしながら言う。
本当は少し苦戦したのだがそこは隠しておこうと思う。
ここにいるメンバーは誰も俺の試合を見ていない。
カミラは花の手入れをしていて、オマケ(テオ君)は女の子とイチャイチャしていて、レットはオマケ(テオ君)を見ていたため誰も俺の応援をしていなかったのだ。
「まあデニスちゃんが負けるとは思ってなかったけどね」
カミラは俺の表情を見ても驚きもせず言った。
「テオ君も今日だったよね。どうだった」
カミラはオマケ(テオ君)の日程を知っていったようだ。とてもマメな性格だ。
「テオ君誰それ?」
今の俺はオマケのことを把握していない。
後ろに誰かいるようだが誰だか分からない。
「何言っているの?ねえレットちゃん」
俺の言葉を聞いてカミラはレットに話をする。
レットも俺についてきていてがまだ一言も口を開いていない。
「テオなんて知らない。一体誰」
しかしレットも同じような反応をした。
レットはなぜ怒っているのか知らないがやっぱりオマケ(テオ君)に怒っているようだ。
「二人揃って全くテオ君何したの」
俺たちに聞いても何も分からないと思ってカミラはオマケに話を聞く。
「すみません二人がなんでこんなに怒っているのか分からないんです」
しかしテオ君は俺たちがなぜこんなに怒っているのかまだ分かっていないようだ。
テオ君の言葉を聞くとレットはテオ君の足を蹴った。
俺も同じように蹴っておいた。
「テオ君は鈍いからな。こうなったら第三者に聞くしかないか」
第三者?誰もいなかったと思うけど。
もしかしてカミラは俺の知らない魔法を使えるのかな
カミラはレットの側に行く。
レットはなにをするのか分からず固まっているとカミラは躊躇なくレットの服のポケットに手を突っ込んだ。
すると「キュー」という悲鳴が聞こえてくる。
俺たちはカミラの行動に驚いているとポケットの中からソラ君が現れた。
「ソラ君話は聞いてたよね。なにがあったの」
カミラは流れるようにソラ君に話を聞こうとしていた。
カミラはソラ君と話をしている。
相変わらず俺たちはソラ君が何を言っているのか分からないため二人の話が終わるのを待つ。
「ふーん、レットちゃんが機嫌が悪いのは分かったけど、なんでデニスちゃんは怒っているの」
ソラ君との話が終わるとカミラが言った。
「何を言っている。テオ君は私の試合をしている間応援もせずに女の子とイチャイチャしていたんだよ。許せない」
カミラに言った後ふと俺はなんで怒っているのか分からなくなった。
別にテオ君が女の子にモテても特に気にしない。
おそらく俺は女の子にモテないのにテオ君だけモテているのが許せないのだろう。
そう思うことにする。
「それでレットちゃんはなんでこんなに怒っているの」
カミラは俺の返事を聞かずにレットに話を聞く。
カミラよ俺の扱い酷くないか
「別に私は怒ってない」
レットはなかなか素直に答えない。
カミラはそのレットの姿を微笑ましくみる。
「ほらテオ君、男の子は女の子の機嫌を取らないといけないよ。」
最後にカミラはテオ君と話をする。
「でもカミラさん俺どうすれば」
子供のテオ君はどうすればいいのか分からないみたいだ。
「ならテオ君こう言うんだよ」
そういうとカミラはテオ君に耳打ちをする。
テオ君はカミラに耳打ちされて顔を真っ赤にする。
「ほらテオ君ちゃんと言って」
テオ君はレットの側に行く。
「レットあの女の子達よりもレットの方が大切なんだ。これから仲良くしてください」
レットはテオ君に言われると顔を赤くしながら「仕方ないな、これからもよろしく」と言った。
カミラはお母さんみたいですね。




