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104話 試合の後のデレデレ

勝負が終わり俺とクロード先輩は頭を下げて離れる。

そのまま俺とクロード先輩は並んでグラウンドから離れた。

他の選手は試合が終わった者同士で離れる人はいなかったのだがクロード先輩は別のようだ。

「最後なんで避けなかったの」

クロード先輩と先程の試合について話している。

「先輩は最初からお…私が避けること前提でしたので、その裏をかいてみました」

先輩と戦っている時前世のことを思い出した。

騎士団に入る前の俺は他の人達と同じように剣の撃ち合いをしていた。

しかし身体強化を使うことが出来ず力負けしてしまうことが多くなってきたため相手の行動の先の先を読む読み合いとカウンター技を極めていた。

しかし最近は先の先を読む読み合いではなく真っ直ぐ突っ込んでくるばかりだったため先を読むだけで勝てていた。

そのため久しく先の先を読む読み合いをしていなかったためその感覚を思い出すのに時間がかかってしまった。

この先輩は気の緩んでいた俺の精神を鍛えてくれた恩人なのだ。

「君と戦うの楽しかった。次戦う時は負けないよ」

幸いクロード先輩はまた俺と戦ってくれるつもりのようで嬉しい。

「はい、私も楽しみにしています。でも次も負けません」

「次こそ勝つよ」

こうして俺とクロード先輩は別れた。


少し歩くとレットが物陰に隠れるようにしていた。

特に約束はしていなかったが何をしているのか気になったため声をかける。

「レットなにしてるの」

「しゃ、デ、デニスさん」

俺が声をかけるまでレットは俺の存在に気が付かなかったようでかなり驚いていた。

こんな反応をするレットは面白くて楽しい。

「し〜、デニスさん隠れて」

レットが慌てているため言われたとおり先程のレットと同じように隠れる。

レットが何を見ているのかと思いその方向を見ているとそこにはテオ君が見知らぬ女子生徒に囲まれていた。

「タイロン君はどうしてそんなに強いの」

「去年も一人だけ二回戦行ってたから天才だよね」

女の子達に褒められてテオ君は照れている。

しかもテオ君も「日々の訓練のおかげだよ」など行っている。

俺たちの学年でまだ残っているのは俺とテオ君の二人だけだ。

去年の結果を聞いたが俺たちの年で三回戦どころか二回戦を突破した生徒もいなかった。

その実力を知った女子生徒がテオ君に唾をつけているのだろう。

「ふーんテオ君がモテてるなんて珍しい」

テオ君があまりモテているのを見たことがない。

俺みたいに腫れ物のように扱われているわけではなく普通にクラスメイト達と仲良く話している。

だが女子生徒にあんなにモテているのは見たことがない。

「全く調子乗ってるんじゃないわよ。強くなったのもデニスさんに鍛えて貰っているからだし」

レットはテオ君がモテているのが気に入らないみたいだ。

「あーレットはテオ君が女の子と話していることが気に入らないのね」

「そ、そんなんじゃない。ただテオのあの顔が気に入らないだけ」

俺が言うとレットは大きな声で反論をした。

そんな大きな声で否定しなくてもいいのに

「あれデニスとレットじゃん」

レットの声が聞こえてやっとテオ君は俺たちに気がついた。

「ヴァイオレット様とデニス・・・・さんですか。それではタイロン君また今度」

「うんまたね」

女の子達も俺達に気がついたようで離れていく。

テオ君もデレデレしながら挨拶をして俺達の方にくる。

「デニス試合お疲れ、結果どうなった」

こいつ今なんて言った。

あんなにいい試合をしたのにこいつは俺の試合を一才見らずに女の子達とイチャイチャしていたと言うのか。

「テオ君、君は破門にする。もう君には教えない」

俺はそう言うとそっぽを向いた。

「な、急にどうしたんだよいきなり破門だなんて。よくわからないけど許して」

俺が破門と言うとテオ君が許しをこう。

しかしそんな薄っぺらい謝罪じゃ俺は許さない。

「レットなんでデニス怒っているかわかるか」

なかなか俺が許さないのを見てテオ君はレットに助けをこう。

「ふん、テオなんて知らない」

「そ、そんな〜」

しかしレットもテオ君を突き放すように言いテオ君の悲鳴だけが響いた。

レットちゃんはテオ君がモテると機嫌が悪くなります。理由は分かりません笑

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