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102話 三回戦①

「テオ君すごいじゃないまさか勝つなんて思って無かった」

俺はテオ君に賞賛を送っていた。

テオ君はあの後も順調に勝ち進み三回戦も勝利した。

「俺も勝てるなんて思っていなかったから嬉しい」

二回戦でも一回戦と同じような体格の子と戦い余裕を持って勝った。

しかし三回戦ともなれば同じ体格の子がいなくなったのかついに体の大きな先輩との試合になった。

テオ君は途中力押しで攻められ押されていたが最後まで相手の攻撃を防ぎきり相手が息切れをしたところで鋭い剣戟を浴びせ勝利をした。

「デニスも次だろ。勝てよ」

テオ君が言うように俺の出番は次だ。

俺の二回戦の相手は一回戦と違い俺の一つ上の学年だったが余裕を持って勝った。

一回戦と同じようにすぐに終わったが一回戦の時みたいに見下した言い方もなければ年齢的にも実力がないことは予想出来ていたためそこまで憤りはなかった。

今だに骨のある相手と戦えていないのが気になる。

「任せろ、行ってくる」

テオ君に言うと俺はグラウンドに向かう。


俺の三回戦の相手は体は平均的な最高学年の男の人だった。

「君と戦えるのを楽しみにしていたよ」

先に男の人はグラウンドの中央で待っていた。

「私もクロード先輩と一緒に戦うのを楽しみにしていました」

俺はこの大会を時間があれば見てきたがこの人はかなりの実力があると思う。

試合を見ているだけで基礎が出来ているのが分かる。

後は気迫だがそれも対面に立ってみなければはっきりと分からない。

こうして対面に立つとこの大会で戦ってきた誰よりも強い気迫を感じられる。

きっと強いだろう。

俺は剣を構えると審判の号令を待つ。

審判が号令をするが俺とクロード先輩は動かない。

俺の剣術はどちらかと言うと受け身の先方だ。

相手の攻撃を受け流し相手の隙をついて攻撃をする。

クロード先輩の試合は二回戦のものしか見ていないがどちらかというと攻撃的な戦い方だった。

だからてっきり開始の合図と共に突っ込んでくると思っていたのだが残念ながら二人して様子見をしている。

「先輩は来ないんですか」

二人して相手の出方を伺うだけだといつまでも試合が決まらないため挑発をする。

「デニスさんの試合は一回戦と二回戦共にみてきたけど受け身な戦い方だった。相手の得意な土俵で戦うより相手の苦手な土俵で戦う方がいいだろ」

クロード先輩は俺を相当の実力者と判断しているのだろう。

なんだか嬉しくなる。

「でしたら私から行きますね」

俺はそういうと剣を構えて走り出した。

クロード先輩は俺が走り出すと剣を強く握る。

俺の体が小さいため相手よりも内側に入らなければならずその分攻撃が遅くなる。

相手の出方をしっかり見ながら剣を振りかぶった。

相手は俺と同じように剣を振りかぶる。

どうやら俺の剣に打ち合わせるつもりのようだ。

撃ち合いになった場合力が弱い俺に勝ち目はない。

俺は筋肉をつけようとしているのだがどうしても力がつかない。

本当はここで鍔競り合いをしたかったのだが仕方なく右に飛ぶ。

クロード先輩はさっきまでいた俺がいきなりいなくなったため剣を空振りする。

バランスを崩したクロード先輩の胴に剣を当てれば勝ちだ。

俺はそう思い剣を振ったのだがクロード先輩はそのまま転がりながら攻撃を躱す。

クロード先輩の行動に驚いた。

格好は悪いがそれでも勝つためになんだってするという姿勢がいい。

俺はクロード先輩が立ち上がるのを待つ。

「もしかして情けをかけられたかな」

立ち上がり俺が追撃をしないのを見るとクロード先輩分かったようで見る。

「先輩ともっと戦いたかったので、次は先輩からお願いします」

俺は久しぶりに骨のある相手との戦いにワクワクする。

俺の声を聞くとクロード先輩は俺に向かって剣を振りかぶった。



デニスちゃんは受け身です。

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