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半月王1 竜王編  作者: 星宮歌
第一章 出会い
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プロローグ

私が本当に初めて書いた作品を、今、色々と設定を練り直して、リメイクして投稿しています。


結構重厚なタイプのファンタジーの予定で、最初に書いていた分も完結まで書けていませんでしたが、今回は完結させるべく書き進めて参ります。


また、本日は一気に第四話まで投稿します。


それでは、どうぞ!

「死ねぇ! 人類の敵!!」


「撃ち落とせ!!」


「火力を上げろ! 必ず仕留めるぞぉっ!!」



 聖歴千百五十年。ここは、ロザリア王国の城、バルスフェルト城。白く美しい城を背景に、夕闇に浮かぶのは、小さな白い少女。その少女は、多くの憎しみの視線に晒されていた。



「翼を狙え!!」


「追い込め!!」



 地上から、あるいは、空を飛んで、それを撃ち落とさんと炎を放ち、水で穿ち、大地を尖らせるのは、このバルスフェルト城を守る騎士達。彼らは一様に、その顔に憎悪を浮かべ、ソレを追い詰める。



「キメラは殺せっ! 殺せー!!」



 キメラ、とは。約三年前から突如として現れた、様々な生き物を混合したような生命体。それらの力は凄まじく、一体だけでも、村や町を滅ぼすのに十分な力を有していた。

 キメラ達は、人類の宿敵とされる悪魔の下僕として使役されており、生け捕りを試みた者は、全て、キメラ達の自爆によって命を落とした。

 大切な者、愛しい者をキメラに殺された者は数多く、約一年前に悪魔王との戦いで、大切な王を失った彼らは、憎しみに支配された顔で、小さな、小さなキメラを追い詰める。

 一つ、火の玉が翼に直撃したかと思えば、体勢を崩したキメラへと、無数の攻撃が殺到する。

 キメラのその姿は、銀の髪に蒼い瞳を持つ幼い少女のもの。ただし、異形の証として、その頭にはミルク色のふわふわとしたうさぎの耳に、背中には純白の翼が大きく存在感を示している。


 攻撃の嵐の中、必死に飛び続けるキメラ。キメラには感情などないはずなのに、そのキメラは恐怖の表情を浮かべている。これだけ憎しみをぶつけられれば、それが感情を持つ存在であるならば、恐怖するのも自然なこと。ただ、それに気づく騎士は、この場には一人として居ない。

 もう、このキメラを殺さないなどという考えは、騎士達の頭には欠片もなかった。ただただ、憎い宿敵に死を与えることだけに邁進して……その合間をすり抜ける影に、彼らは一瞬、意識を逸らすこととなる。



「――――」



 キメラへ急速に接近したその影は、何事かをキメラに話しかけ、止まったキメラへ、すれ違いざまに手刀を落とした。

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