違和感
「それが、最初? なら次があるのか?」
「ああ」
「アンタは、なんでこんなことをしてるんだ。ジャックレイスって男とおんなじできるからなのか?」
トラックを運転する男の言うこんなこととは、犯罪をさしている。犯罪ができるからここに居るという説明だと勘違いしていたのだ。だから私は鼻で笑った。
「何もわかっちゃいないな。やるべきだからやるんだ。あんな快楽殺人者と一緒にするな。だから止めたければ止めていいぞ」
「そうしたら俺を殺すのか」
「よくわかってるじゃないか」
そう。やるべきだから。それができてしまうから。
「なんか、アンタ変だぞ。こう、違和感がある。明確に言葉にできないんだけど……、そう! 今のアンタと話の中の人物像がずれているような……」
私はその質問に答えたくなかったがために肩を竦める程度にとどまった。そして口を開く。
「どこまで話したか……。ああそうだった。どんな理由があろうとも誰かを殺す理由にはならない。それでも殺し続けたのは、ジャックレイスが言ったように、仕事だからに他ならない。悪人を裁くことでより多くの誰かが救われる。ジャック・レイスを殺してもそう信奉し続けていた」
あの男を殺すまでは。
私は次の話を始める。
とりあえず一部完結です。
話はまだまだ続きます