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ジャック・イン・東京  作者: 文月獅狼
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第九話 課題


 現在午後三時九分。兄貴はまだ帰ってない。

 とりあえず洗濯物を取り込むか。そう思い僕はベランダに出た。

 帰ってくるときは他に目が行くもの(人)があったからか気づかなかったけど、朝はあんなに晴れていたのに今では雨が降りそうなくらい曇っている。


「夜には降るかもな。雷が鳴ったりしたらさらに面白いんだけどな」


 そんな独り言を言いながら僕は洗濯物を取り込んだ。たいていの人は雨が嫌いだろうが、僕は不思議なことに雨が好きだ。特に雷も鳴っているときが好きだ。雨が降り、雷も鳴っている夜はなぜか落ち着くことができ、安眠できる。


「何しようかな。課題をやろうかな。でも正直やりたくないんだよな~。誰か代わりにやってくれないかな~。……よし。裏が出たら今日やる。表が出たら明日やろう」


そう言って部屋に行き、カバンから財布を取り出して、中から100円玉を取り出した。


表が出ますように表が出ますように表が出ますように表が出ますように表が出ますように。


 と願いながらコインを投げた。放物線を描きながら僕の手に戻ってくる。手に触れたと同時に右手で100円を覆う。

もう一度表が出ますようにと願う。


「勝負!」


掛け声と同時に右手を離す。


 結果、裏が出た。皆さんは願い事がかなうのとかなわないのとではかなわないことのほうが多いのではと思うことはないだろうか。僕はそう思います。今そうだから。


「……」


これは裏と見せかけた表かもしれない。そもそも僕はどっちを裏にするかを決めてなかった。100円の裏表なんて知らないしね。本当は知っているけど今は邪魔だからその辺においとこう。もう一度やってみよう。今度は裏表を決めてからやろう。

 そして僕は今裏だったのを表にした。もしかしたらこっちのほうが出やすいのかも。


「今度こそ頼みまっせ。いざ勝負!」


 ……結果、さっき見たのとは違う絵が現れた。


「……仕方ない、やるか」


 そして僕は机に向かい課題を始めた。


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