表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
ジャック・イン・東京  作者: 文月獅狼
4/93

第四話 どのみちね……

 現在十一時十分。三限目の数Ⅱの時間だ。正直めっちゃ眠い。昨日は遅くまで本を読んでしまった。それなのに早起きしてしまったため睡眠時間が足りてない。寝てしまいたいが数Ⅱの先生は結構厳しいため寝れない。どのくらい厳しいかというと、寝ている生徒を発見したらその生徒の横まですぐに行き、教科書で生徒の頭をたたく。そして授業中はずっと立たせて、授業が終わった後には反省文を作文用紙2枚分書いて提出させるという3コンボをお見舞いするぐらい厳しい。

 ……うん。結構じゃないね。めっちゃかもしれないね。

 正直言うと、たたかれ、立たされ、反省文を書かされるのはそこまでつらくない。では何がつらいのかというと、授業中に恥ずかしくなり、授業が終わった後にクラスの友人がからかってくるのがつらいのだ。なぜかって?そりゃあめんどくさいからだ。おそらくどのクラスにも一人はいるであろう他クラスにそういった情報を伝える人間が僕のクラスにもいるのだ。人のうわさも七十五日というが、そういうやつは一年くらい引っ張ってくる。

 だから僕は数Ⅱの時は何が何でも寝ないようにしている。…のだが。

 だんだん瞼が重くなってきた。やばい。このままじゃほんとに寝てしまう。授業はあと二十五分も残っている。絶望的状況。いやだ。雄二にからかわれるのだけはいやだ。


「霧崎、ちゃんと聞いてるか~」


 突然先生に呼ばれて僕は飛び上がりそうになった。


「は、はい。ちゃんと聞いてるであります」


「ならこの問題やってみろ。65ページの練習問題11番。今教えたし簡単だからできるだろ」


 僕は急いでページをめくった。いつの間にかそんなところまで行ってたのか。まあ先生の進む進度は早いから仕方ないが。

 59、61、63、65。やっとついた。…あ?ナニコレ。わかんない。どないしよ。僕は文系だから数学はてんでだめだ。それに加えて授業を聞いてなかったためいつもの100倍わからない気がする。


「……」


「……聞いてなかったんだな」


「すいませんでした」


「反省文、書いてね」


「……はい」


 みんなが笑ってる。幸い授業中立たされることはなかった。

……どうせなら寝ればよかった。

 そして授業は終わった。


評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ